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『流れる』 成瀬巳喜男作品(日本の歴史)

 日本の4大巨匠のひとりと言われている成瀬巳喜男監督作品。原作は幸田文。隅田川沿いの芸者の桶屋が落ちぶれていく中、女主人と芸姑、そこに入った女中との人間模様を描いた作品。正直ストーリーは退屈だ。

 幸田文の原作に忠実に脚本が描かれたようだが、幸田文そのものが34歳で離婚し、父である幸田露伴を亡くした後に、住み込みの女中をやっていた経験から書かれた物語のようだ。当時華やかだった花柳界の内情を描いたことから注目を集めたのだろうか。

 小津安二郎、溝口健二、黒澤明の三人に対して、成瀬巳喜男の特徴は何かということは、この映画だけではつかめなかった。女性を描くという意味では、溝口健二と似ている。しかし、日常的な姿が描かれ、何気なく終わってしまう。また機会があったら観てみよう。

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