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『私は確信する』 最高裁の判決が覆るような、個人通報制度の映画を観てみたい

 原題「Une intime conviction」を、日本の法律用語にすると、「心証」と訳すことができるという。「心証」とは、裁判官が訴訟事件の審理において、事実認定について心の中に得た確信または認識を指す。

 映画のベースになった事件は、2000年にフランスで実際に起こった未解決事件の「ヴィギエ事件」だ。妻ヴィギエが3人の子どもたちを残して姿を消した。数々の証言や疑惑により、大学教授の夫が妻殺害の容疑者となる。そして、この事件の弁護士デュポン=モレッティは、2020年7月にフランスのマクロン政権下で、法務大臣に抜擢されたという。
 
 主人公と思われる料理人ノラの調査によって、妻の愛人が犯人ではないかと類推させるようにストーリーが組み立てられているが、この夫婦が家庭内別居となった発端は、大学教授と生徒との浮気にあるとも言われている。裁判モノの場合、脚本により、どちからに感情移入をさせられてしまうので、ここでは愛人が犯人だと確信するように作られている。

 『十二人の怒れる男』でも、人が人を裁くことの意味が問われていたが、この映画も、それを訴えかけている。私が個人的に観てみたい設定は、人権問題におけり個人通報制度によって、その国の最高裁での判決が覆った例だ。OECD諸国で個人通報制度を持たないのはイスラエルと日本だけだが、最高裁の判断を国際法と照らし合わせ判決が覆った事案(例えば、セネガルの事案)など、世界中のどこでもまだ映画にはなっていない。

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