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『THX-1138 』神話の世界の神がデザインした社会でない限り、人間は不満を持つ(環境研究)

 ジョージ・ルーカスの監督デビュー作。主人公の名前はTHX-1138。ロボットはC-3 POに顔がそっくり。公開のためプロデューサーによって編集が行われた公開映画に対し、監督が別に改めて編集したディレクターズカットバージョンになる。公開する映画は、興行の成功のため、監督の思い込みを排除するシステムとしてプロデューサーが編集権限を持つのが通例だ。例えば、『君の名は。』の新海監督と 川村元気プロデューサーの図式。

 25世紀の未来社会。
 理由は明確ではないが、地上に住めなくなった人類は、地下都市内で支給される精神安定剤を服用しながら、日常を送らされている。ある日、女性ルームメイトが精神安定剤の服用を止めたことがきっかけとなり、地下都市内ではタブーとされている肉体関係を結び子供ができる。
 THX-1138は地下都市からの脱出を図り、禁止されている地上に出る。すると、地表には大きな太陽がある。ここで映画は終わる。

 太陽は永遠ではない。
 1億年に1パーセントずつ明るくなってきていて、5億年くらいたつと、地球は太陽の熱のために海水が蒸発してしまい、生き物がすめなくなってしまうといわれている。さらに、50億年後くらいには、太陽が大きくふくらんで地球をのみこんでしまう。そして、最後に爆発する。

 この映画の設定は、25世紀なので、太陽による熱の影響は考えられていないと思うが、人類の未来には次の選択肢が予測されている。

1)ハーマン・カーンの予測:スペースコロニーに引っ越す。ジェフ・ベソス、イーロン・マスクがこの路線の考え。アメリカ的予測。

2)ジェームス・ラブロックの予測:人類は他の惑星には住めない。アンドロイドとなり地球で暮らす。大阪大学の石黒浩教授もこの路線の考え。英国の科学者的な予測。

 2)の延長線上に、海水から酸素を得る人工エラを開発し海中都市に住む。地中に住むなどの選択肢が考えられるが、いずれにしても、神話の世界の神がデザインした社会でない限り、人間は不満を持ち、この主人公のように、その外で出ようとする。ソーシャルデザインとは難しいものだ。

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Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。