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『試すとフィードバック』(4−1)試すとリーンスタートアップ


UchuBiz連載より

 2−1から2−5「引いて考える」(インサイト⇒目標設定⇒使命分析)、3−1から3−6「組み合わせ」(現状分析⇒オルタナティブ⇒システム合成⇒システム分析⇒失敗研究)と解説してきたが、いよいよ最後の「試す」を解説していく。

 糸川さんがCreative Organized Technologyの体系を開発したのはロケット開発だ。ロケット開発のルーツはナチス政権時代に開発されていたV2(報復兵器)に行き着く。V2計画は戦時下のドイツ最優先プロジェクトだったため、資金と労働力が無尽蔵に投入された。部品点数が100万を超えるロケットの失敗は桁違いで、一度に6万5000箇所の改善をしたこともあるという。しかし、日本のロケット開発は戦時下で行なわれていたもの以外では、糸川さんがはじめたペンシルロケットからになる。戦後の敗戦国では資金はほとんどない状態でのスタートだった。

 そこで生まれたのがペンシルロケットという発想だ。確かに小さなものだが、ロケットに必要な各種のデータを集めるのには有効な手段だ。シリコンバレーの起業モデルとして有名な『リーンスタートアップ』(日経BP)では、これを実用最小限のモデルとしてMVP(Minimum Viable Product)と呼んでいる。

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Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。