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『組み合わせとオルタナティブ』(3−6)企業参謀の武器「システム分析」

 (3−5)1人の天才より多様な人材の組み合わせで天才以上の能力を!では、「システム合成」について解説した。

 ランチ定食という身近な例ですら108の組み合わせになることから、システム合成によってアイデアが自然に無理なく生まれることがわかったと思う。この瞬間が、多様な人材集団が天才を超えるときだ。

 次は108の組み合わせから実際にランチ定食として顧客に出すメニューを決める必要がある。Creative Organized Technologyでは、意思決定はトップがやるべきだといしている。もちろん経験豊富な人やその道の権威の意見なども参考にしたとしても、最後はトップが責任をもって決めなければならない。

 その意思決定のための複数案を上げるまで科学的な分析を「システム分析」という。感情が入り込まない方法で行うことで、将来に遺恨を残さないようにするのがCreative Organized Technologyの特徴でもある。したがって、このシステム分析は企業参謀の強力な武器にもなる。

 アメリカにランド研究所というシンクタンクがある。所員やコンサルタント計29名がノーベル賞を受賞し、身近な例ではインターネットの原理を生み出したのもランド研究所だ。彼らはオペレーション・アナリシスに磨きをかけたシステム分析を発案し、政策の選択肢を見極め、科学的に評価し、政策担当者が合理的かつ客観的な基準で判断できるようにした。ランド研究所はこのシステム分析という武器によって、アメリカ政府の意思決定機関に貢献するシンクタンクとなり、アイゼンハワー政権からレーガン政権に至る政権中枢に大きな影響を与える存在となったのである。

 つまり、ランド研究所はシステム分析を武器にアメリカの意思決定機関の国家参謀と位置づけられていたのだ。同じようにシステム分析は企業参謀の強力な武器にもなる。では順に、そのやり方を見ていこう。


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