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『フェイブルマンズ』無形資産ビジネスのはじまりの物語(他社の歴史)

 スティーブン・スピルバーグが、少年期に両親に連れられて行った劇場で初めて映画に出会って夢中になり、買ってもらった8ミリカメラで列車の模型や家族や同級生たちを撮影して作品に仕立て、ついには映像制作の仕事を手にするまでの自伝的映画だ。原題は『The Fabelmans』となっているので、フェイブルマンというユダヤ人家族の物語とも言える。「フェイブル」は「寓話、作り話」といった意味で、「フェイブルマンズ」は「寓話を語る者」という意味もあるようだ。

 映画の途中で挿入されるユダヤ人の習慣であるハヌカや音楽、キリスト教徒からのイジメ、両親の離婚などがある中、映画の魅力に取り憑かれていくプロセスがよく描かれている。それと同時に、後のスピルバークガントク作品である『衝突』『シンドラーのリスト』『ジョーズ』などのアイデアや構図までもが浮かんでくる。

 また一番面白かったのは、映画会社に何通も手紙を書くが返事がないことを嘆くシーンで、スピルバーグ監督ですら、その試練をくぐり抜け、今があるということだ。映画はカタチのあるモノではないので、無形資産を生み出す能力があるかどうかを見抜くことができるのは、それを生み出すことができる人に限られる。イマジネーションが湧かないと評価できないからだ。結局、評価能力のある人に出会うかどうかが運命の分かれ道になるのだろう。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。