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『9割の社会問題はビジネスで解決できる』筆者は優秀なコスモポリタン(地球市民)だ(他社の歴史)

 「新しい資本主義」がここにあった。著者は、善意だけで買ってもらう商品やサービスは長続きしないという。つまり、社会貢献になるからではなく、モノがいいから、サービスがいいから買う、という要素がないと、選び続けてもらえないのだ。したがって、一流のビジネスパーソンはこの矛盾に挑戦し、社会問題をビジネスで解決すべきだというのが、本書に流れる著者の主張である。

 社会起業家が1,000人集まれば、1,000の社会問題を解決することができる。それを持続的に行う仕組み(社会起業家のプラットホーム)を考えたのが著者のユニークな点だ。例えば、経営がうまく行かないときは、物理的に止まる仕組みが必要だとし、資金が尽きたら一旦終了するシステムになっている。それにより、失敗の経験を人的資本とし、再トライすることに価値を置いているのだ。あるいは、社員の一番年俸の低い人の7倍以内を社長の報酬とする、売上や利益よりもソーシャルインパクトを重要な指標とする、などのルールもある。

 起業家大国イスラエル人では、13歳で成人を迎える。彼らはそのとき、「手のひら」の機能を以下のように再定義される。

【今までの手のひら】人から何かをもらうためのもの
【これからの手のひら】人に何かを与えるもの

 上記の生き方の違いは大きい。
 著者は最後に、以下のような自分のモットーを記している。

「生まれたときよりも、きれいな社会にして死んでいく」

 イスラエル人が優秀な理由は、手のひらの機能にあると考えると、起業家である孫正義氏よりも、堀江貴文氏よりも、ひろゆき氏よりも、筆者は優秀なコスモポリタン(地球市民)だと言い切ることができる。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。