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『人新世の「資本論」』日本にこういう才能があって実に嬉しい(環境研究)

 新型原子炉があれば、現状の資本主義による経済成長を続け、貧富の格差を拡大したままだとしても、地球環境を守りつつ経済成長できる、というビル・ゲイツの主張の対局にあるのが、斎藤幸平氏の主張する脱成長コミュニズム(マルクスのコモンの考え方を自然資本まで拡大したもの)だ。

 彼は「SDGs」「グリーンニュディール」「ジオエンジニアリング」だけでは気候変動対策として十分ではない。根本的には「脱成長コミュニズム」が必要だ、とエンゲルスが見落としたマルクスの残したメモを分析し、それにAdvocateする形で主張する。
 3%の気候変動に対しての論調を比較すると次のようになる。

①「ビル・ゲイツは新型原子炉テクノロジーで従来の資本主義(1%の富裕層を富ませる仕組み)の延長線で解決案を提示」
②「斎藤幸平氏は脱成長コミュニズムは、資本主義社会でも3.5%の人が立ち上がれば大きな力となり、世の中は変わる」

 明らかに世界中のZ世代は②を自分たちの未来だと思っている。
 斎藤幸平氏のこの本での主張は、ビル・ゲイツの「How to Avoid a Climate Disaster」に対抗できうるものだ。

 日本にこういう才能があって実に嬉しい!!

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。