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『アイヌモシリ』アイヌ思想とガイア理論には自然との共生思想がある

 アイヌモシリとは、現世のアイヌが住む人間社会を指し、カムイモシリとはカムイが住む世界を指す。カムイとは、本来神々の世界であるカムイモシリに所属しており、その本来の姿は人間と同じだという。そしてある一定の使命を帯びて人間の世界であるアイヌモシリにやってくる際、その使命に応じた衣服を身にまとうという。例えばキムンカムイが人間の世界にやってくる時にはヒグマの衣服(肉体)をまとってくる。

 イオマンテとは、アイヌの儀礼のひとつで、ヒグマなどの動物を殺してその魂であるカムイを神々の世界に送り帰す祭りのことである。イオマンテを成立させる条件は、以下。

1)冬に、巣籠りしている母子の熊を、捕獲して用いること。
2)母熊を殺すこと。これにより、母熊の霊は、カムイモシリに待機することになる。
3)子熊を数年間養育すること。
4)子熊を殺すこと。これにより、子熊の霊を、カムイモシリに、母熊のもとに送ることになる。

 この映画は、阿寒湖アイヌコタン(36戸・約120人が暮らすアイヌの集落)の集落に住むひとりの少年が、イオマンテというアイヌの儀式に出会い、葛藤するプロセスが描かれている。(自らが餌をやり育てた子熊を殺すことに反対していた)
 日本に同化していくアイヌ、伝統を守ろうとするアイヌ、それぞれの葛藤がひとりの少年を通じて描かれている映画だ。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。