ランクルの男(仮題)
朝から嫌なものを見た
娘が猫撫で声で
「今日仕事休みぃ〜?駅まで送って〜」
と今では死語となったぶりっ子全開のしぐさで懇願してきたので、仕方なく車を出してやる事にした。車検の代車の軽は軽快で、乗り慣れない車を運転するのも新鮮で楽しかった。
駅まで送った帰り道、着くのもすぐという手前の赤信号で停車をしていると、立派な大型車TOYOTAのランクルが後ろについた。何気なくミラーで確認していたら、運転席の40代くらいの男が、窓を開けてウェットティッシュらしいものを一枚摘んで、道端に捨てた。
なに?とおもってさらにミラー越しに見ていたら助手席の下あたりをゴソゴソやっていて、さらに一枚、窓から外に捨てた。
本当に嫌気がさす光景だった。いい大人がみっともない!また車が車だけに想像が膨らんで、嫌気が倍増した。
家に帰って、やり残していた家事をしながら、(バチが当たればいい)
なんて思ったりして、行き場のない悶々とした気持ちを鎮めるためにスポンジにたっぷり含ませた洗剤でお皿をガシャガシャと洗った。
少し経って冷静になると、
ゴミを拾わなかった私も同罪だなと思った。
どうせ停車しているなら、車を降りて
「ゴミがあるなら捨ててあげるから出しなさいよ」
と言ってビニール袋を差し出せばよかったか、相手はどんな顔をしただろう、
なんて妄想したりした。
多分そんな行動力も勇気も私には、ない
アイツのせいで、私も同じ罪を背負わなければならなくなった。
本当に腹立たしい奴だ。
今日のこの、春の陽射しに満ちた、新しい1日を台無しにしてくれた。
会わなければいいという問題でもないが、行儀の悪い人には出会いたくないものだ。これもまた、『臭いものには蓋』になっちゃうのかな。
人間って罪深いな。
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