香水、檜風呂人間
会社に香水が少しキツいひとがいる。
ある日、たまたまその人の隣に座ることがあり
香水の匂いをモロに直撃することがあった。
その人の香水は檜の香りで
どことなく、ネイチャーみを感じる匂いでもあり、ウッディな匂いなのだ。
その人の隣で仕事していると
自分が檜風呂に入っているのではないか。
という感覚に陥る。
さらにその日は近くで
扇風機が回っており、風に乗って香りがより届くようになっていた。
「香水がキツいです。」と伝えたい。
しかし、伝え方が難しい…伝え方によっては、ハラスメントに繋がりそうだ。
やんわりと伝える方法をいくつか考えた。
「ああー、なんか今、檜風呂に入ってる感覚ですわぁ…!」
「あれ、この職場、森林の香りがする…」
どちらも独り言のように言うのだ。
いくつか考えてみたが
もしかすると、遠回りすぎて
言われたほうは気づかないかもしれない。
ここは思い切って
本人のためを思い、ストレートに言うことにした。
「すみません。
香水の檜風呂っぽい匂いがキツくて
僕は、檜風呂に入っている感覚です!
鼻がひん曲がりそうなので、香水をやめてください!人間ならネイチャー臭、つまり体臭で勝負せんかい!ボケカスゥ…!」
…とは言えず
僕は耐えてその場をやり過ごした。
この人は、「香水、檜風呂人間」ということでよろしいでしょうか?
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