日常生活を切り取って「変数」について考えてみた
頼み事をするときに、依頼主と請負人の間で依頼内容に齟齬がなければ、依頼主の満足いく成果が得られます。
今回は日常生活で起こりうる場面を切り取って、齟齬がない依頼の仕方について考えてみます。
切り取る場面は
【スーパーへのおつかい】です。
おつかいと言っても、親(依頼主)が子ども(請負人)に頼むおつかいではありません。
普段から献立を考え、買い物をしてくれている妻(依頼主)が、
どうしても用事があって買い物に行けないときに頼む夫(請負人)へのおつかいです。
例えば、単に豆腐にしても木綿と絹の2種類があって、料理によって買うべき豆腐は変わります。
豚肉にしても、バラとロース、小間切れなどの多種類とグラム数もバラバラになっています。
サッと簡単なおつかいメモだけ渡されたときは、スーパーで迷う羽目になるとは露知らず、
買い物は任せて!
と言わんばかりに妻を用事へ送り出しました。
いざスーパーに着けば迷うことばかりで、家で渡されたときには、何に迷うかも分かりませんでした。
用事の渦中の妻に、おつかい中にあれもこれもと聞くのは気が引けます。
かといって間違えて買っていけば、妻のご機嫌はななめに。
こんな場面を想像するのは、1ケタの足し算をするようなものです。
この場面を解決するには、
材料一つ一つの用途を聞くのではなく、
レシピを共有してもらえばいいのです!
レシピを見れば、用途にあった種類もグラムも大きくズレることなく買うことができます。
ぜひ、妻を送り出す前にレシピを共有してもらってください。
さて、本題はここからです。
頼まれたおつかいは、子どもと一緒に行っています。
おつかいメモどおりにカゴに集めることができました。
あとは、空いているレジに並んでお会計を済ませるだけ。
レジは程よく混んでおり、どのレジに並べば早くお会計を済ますことができるかを考えます。
あなた(依頼主)は、お会計が早そうなレジに並べるよう子ども(請負人)に依頼します。
あなたならどうやって依頼しますか?
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それでは続きを、
「それぞれの列に何人並んでるか数えてきて」
「レジ担当者のレジ捌きが早い列を見てきて」
「それぞれの列にカゴが何個あるか数えてきて」
依頼した内容に沿って、もってきた子どもの情報をもとに、どの列が早いか考えていきます。
依頼内容
「それぞれの列に何人並んでるか数えてきて」
子どもの成果
「左の列は10人並んでて、真ん中の列は5人並んでて、右の列は3人並んでたよ」
あなた(依頼主)
「3人の列に並ぶことにしよう」
しかし、実際は真ん中の列が一番早かったのです。
左の列は、3人家族が2グループと4人家族が並んでおり、それなりの買い物をしていました。
右の列は、3人全員がカートにカゴを2つ乗せて大量の買い物をしていました。
真ん中の列は、3人家族と夫婦が並んでおり、軽そうなカゴで列に並んでいました。
列に並ぶ人数を知るだけでは、お会計の早いレジの列に辿り着けませんでした。
続いて、依頼内容
「レジ担当者のレジ捌きが早い列を見てきて」
子どもの成果
「左と真ん中の列は人がたくさんいて、レジの人見えなかったけど、右の列は若いおねえさんだったよ」
あなた(依頼主)
「じゃあ、若いおねえさんの列に並ぼうか」
これでは、どの列のお会計が早いか分からないですね。
最後に、依頼内容
「それぞれの列にカゴが何個あるか数えてきて」
子どもの成果
「左の列は4つ、真ん中の列は2つ、右の列は6つだったよ」
あなた(依頼主)
「真ん中の列に並ぼう」
これで、お会計が早い列に並ぶことができました。
今回のシチュエーションでは、重要になる数は列に並ぶ人数ではなく、カゴの数になります。
依頼内容に補足するとすれば、
あなた(依頼主)が持っているカゴの中身と比べて、中身の多いカゴと少ないカゴの数も子ども(請負人)に調べてもらうと、より正確な情報が得られます。
他の物事に活かせる教訓にすると、
「着目すべき変数は何か」
日常生活で起こりうる一面を切り取って、
物事を考えるのは楽しいですね。
それではまた!