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【連載】無水オキアミとサイバーパンク【V.2】

また会ったな。俺の名前は5OTA-1NOUE・・・
2089年の第二横浜シティからやってきた、ホンモノのサイバネやろう、サイバーパンクの中のサイバーパンク・・・

前回おれは、あんぱんを握り潰すとサイバーパンクがほとばしる、という話をした。

https://note.mu/xabutoon/n/n90d74bd98fc0

要約する。
つまり、食品をZIP/ZAPすると、食の喜びへの冒涜じみた合理性をまとい出し、これはディストピアの食いもん・・という意識が芽生え出す。2019年現在に於いて、潰すとうまい食いもんの筆頭はあんぱんなんです・・という話だった。

さて、去る20190905、こんなリプライが寄せられた。

俺は「はい!これはとてもサイバーパンクです!」と元気にハキハキとお答え致した。なぜならこれは間違いなく「第二横浜シティ」で撮影されたサイバーパンクの画像であり、何より「日本製」靴下だからだ。

何はともあれ、まずは「第二横浜シティ」について説明しよう。
今世紀初頭、悪の極悪メガコーポの前身であるGAFAは、虚飾に塗れ、なにやらピンク色に光る下水道を生み出した。これは、のちにInstagramとかFacebookとかなどと呼ばれる事になる精神の下水道だった。
日本人民はそれまで夢中だったチャオ&コロコロコミックスの購読を辞めて、嬉々としてこの下水道のなかに飛び込んだ。
職場の冷蔵庫の中に入ってその様をINTERNETに晒すことで青春の炎を燃やす鼻垂れ坊主。空港で毎度同じ構図の自撮りを、時流と生存バイアスで歪んだ人生観をしたためた詩を添えてUPLOADするおっさん。高度に発達した画像処理技術によってリアルタイム・フォトショップを施し「B.A.E.」を至上命題として掲げる紳士淑女達。
そう、この時から時代はサイバーパンクに突入した。
悲しいかな。化学技術の躍進は人類を救わず、単に愚かな退廃性を浮き彫りにしただけだったのだ。
流石に惨状を憂いた親愛なる日本政府同志は消費税を10%に引き上げたり、さらに100%に引き上げたりして対策に打って出たが、GAFAによるプラットホームビジネスには敵うはずもなく、2059年に隕石が衝突して関東丸ごと跡形もなく吹き飛んだ。その跡地にサイバネ実験都市「第二横浜シティ」が出来上がり、GAFAが勝利を納める運びとなった。

話を戻そう...
「3足 500えん+税」
これを読んでる君たちにとってはこれがなぜ超高級なのかも何がサイバーパンクなのかもわからないだろう。わからないのなら教育してやる。

2089年現在、消費税は100%なので1足1000円。これが3足あるので3000円。さらにこれにナントカ税率が適用されるのでさらに100%消費税が課せられ6000円。

簡単な足し算だ。今は亡き政府の愚策によって「婦人ソックス」が「超高級婦人ソックス」へと変換 <コンバート> してしまったのである。俺は消費税を歓迎する。「婦人用靴下が欲しい!」と思って「500えん + 税」を握りしめて買いに行ったとしても「5500えん - 税」足りないのだ。婦人ソックスすらまともに手に入れられない国家ぐるみの馬鹿馬鹿しい茶番劇は国を荒廃させ、隕石が落ちてきて、関東が無くなって、サイバーパンクの街を生み出した。これをサイバーパンクと呼ばずして何がサイバーパンクだ。

それからもう1つ。
日本製、それはつまりMADEINJAPANでありサイバーパンクの基本だ。ジャパンアズクオリティに根ざした国家レベルで保証されるブランドである。
それらが日本製、つまりメイドインジャパン、メイドインジャパンであるということは、おそらく工業製品として一級品であるということ、これはワイルドスピード(ドウェインジョンンソンが出てるやつ)を観れば骨身にしみる事実だが、車のパーツはわざわざ日本(ジパング)から取り寄せて、それでブーブーにニトロ、つまりブーブーをすごく速くするやつ・・を搭載してドウェインジョンンソンと戦ったりする。。つまりメイドインジャパン製のプロダクトにはドウェインジョンソンも目を剥くようなドウェインジョンンソンのような爆発力があるということがすでになかなかかなりわかっていることだろう。それは、つまり、ドウェインジョンンソン=ハリウッド=アメリカが認めた日本の力。言い換えれば脅威なのだ。サイバーパンク映画で描かれる怪しい日本語広告まみれの街並みは、昔すごく頑張ってた日本とかに資本主義経済というバトルフィールドで主導権を握られるかもしれないという不安感が根っこにあるとゆわれてる。
だからこそ「日本製」とはサイバーパンクを意味する形容詞であり、広辞苑にもそう載っている所以なのだ..

本連載は、私、井上が日常目についたものを取り上げ、「これはサイバーパンクか否か」を判断し、なぜそれがサイバーパンクなのか/サイバーパンクではないのか、を解説するものとなっております。
もし、判定してほしい品がございましたら、サイバーパンクソムリエ、井上宗汰にご一報ください。

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