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食への興味がなくなった

ふと思い出したその昔まだご飯があった時の話。
前述したように父はほぼ家にいなかったので食事をとるのは母、私、妹の3人だった。

食事はダイニングテーブにベンチとイスが二脚あったのでそこでとっていた。
妹が一人でベンチに座りテレビの正面が席だった。
母は長方形型のテーブルの短辺に座り、同様にテレビの正面の席だった。
私はテレビに背を向ける位置のイスだった。

私は食事中のテレビは絶対に禁止だった。
(正確には食事中以外も禁止だったのだが)
1秒足りとも振り返ることは許されない。
聞いて楽しめとの事だ。
しかし、母も妹もテレビをみながら笑ったり驚いたりしている。
小学生の私に好奇心を抑えることは到底できなく、少しチラッと振り返ってしまう。
するとテレビを消される。
私が振り返ったせいでテレビが見えないと責められる。
例外の日は一切ない。

これが毎日食事の回数だけ繰り広げられる。
このストレスがハンパなかった。
食事があってもなかっても苦痛であった。
そして、こんな毎日で私の食への興味はほとんどなくなってしまうのである。
後々の弊害としては、上京して一人暮らしを始めてから2日に1度しかご飯を食べなくなってしまうのである。
とにかく食=苦痛と刷り込まれてしまったようで、食事は後回しにし、お腹も空かなくなってしまうのである。


私は今でも自分の家でご飯を食べるのが一番好きだ。
食事中の決まり事は他にも多々あったのでいずれ書くが、おそらく何年もの間の決まり事ばかりの食事から解放され、自分の好きなことしながら食べられる事に未だに喜びを感じている。

カバン一つで大都会に飛び出し、住み込みの仕事ながら初めて自分の家を持った。
そして取り返すように、映画、漫画、携帯、音楽とご飯を全部同時にという、いったい今あなたは何をしているんですか状態を満喫する事になる。
間違いなく反動であろう。
ただ、先程も書いたように食に興味がないので回数が次第に減っていき、やがて倒れてしまうのである。
またそのうちに。

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