家事育児を切り分けられない夫婦たち
Xでみんながつまみ合う、夫婦問題の定番。
【家事育児を請負うべきは誰なのか?】
ここ数日は、あるパワハラ自己開示ポストが肴だ。
個人的にはまず、家族という共同体で子供を育てる同志として、この物言いはないな。という感想。
しかも、仲間を一方的に責め続けるその成り行きをストレス発散のため(?)に世界発信。
豊田真由子が自分で例の音声を公開するようなものだという自覚はあるんだろうか。ないんだろう。
それはそうと、彼女の夫のように仕事ばかりで家のことは妻任せ…という男は少なくない。何故か。
端的に言って、家事育児に時間を割く能力がないからだ。
Xではよく「家事なんて誰にでもできる」と豪語する方がいらっしゃるが、その点で件の夫は時間を割けないことで「誰にでもできる家事すらできない」人間だ。
でも、そんな家事育児に無能な夫は長時間残業に耐えて家族のために稼いでくる能力に特化している。
凄いことだと思う。その能力を潰してまで、できない業務に当たらせることのどこにメリットがあるのか。ない。
ただ、妻が(本人が分析する通りに)
であるなら、妻は妻でおそらく誰かに仕事を与えることにおいては無能なのだろう。
だから、自分の手に余った仕事をとにかく誰かに押しつけたい。
押しつけられない不満を相手にぶつけ、あまつさえ内部事情を無関係の不特定多数に暴露してしまう。
世の中は自分に利すると信じており、実際万単位の同類(と支持者)たちが共鳴している。
私の経験上、今のところ『無能に不釣り合いな仕事を押しつける光景』は見たことがない。
結果的に困るのは押しつけた側だから当然だ。
もし無能に仕事を任せなければならないほど追い詰められている人がいるなら、由々しき事態だ。
つまり、件の家庭はチームとして破綻している。
対策は三択。
・業務内容の見直し、改善
・業務委託
・チーム解散
どれにしろ、内々で議論を詰めなければならない。
「こんな夫どう思いますー???」とばかりに外部へ恥を晒すだけの真似は、何の解決にもならない。
*
夫は家族のために死ぬ覚悟で仕事している、あるいは妻にだけ家事育児に負担が偏るのは女性差別だ───といった切り口は、正直どうだっていい。
私自身は、夫にバリバリ働いてもらいながら自分が主に仕事と家事育児の配分を調整している。
それはシンプルに、そのほうが収入面でメリットがあるから。また、私の地元に住んでいることもあり、育児や近所付き合いでは私が前面に出るほうが合理的だ。体力の要るイベントがあれば、体力のある夫にお願いをしたりもする。要は適材適所だ。
いざとなれば近距離に実親はいるし、夫は快く飲み会に送り出してくれる。
恵まれた環境にいることは認識している。
本当に有り難いことだと思う。私は運が良い。
だからこそ、たとえば今の環境がなくなったときにどうするか?という基準で物事を考えたりする。
毎回、できることを頑張るしかないな…という至極当たり前の結論に落ち着く。
自分ができないことを他人に強いる能力は持ち合わせていないが、できないことは諦めて別ルートを探るぐらいの能力は備えている。なるようになる。
おそらく、多くの人は『他人に期待する』能力が高すぎるからこそ対人関係を拗らせるのだろう。
無能でよかった、とつくづく思う。