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スタンダードのサマヨールをサーナイトexデッキで検討する

前の記事にも書いたが新弾のサマヨールがサーナイトexデッキに入らないかと考えている。

サーナイトには、ナンジャモやカウンターキャッチャーのような受け寄りのカードや、マシマシラやハバタクカミのようなダメカンをばら撒けるポケモンが採用されており、サマヨールはこれらのカードとシナジーする。

相手のシステムポケモンを落としつつ手札にも干渉して相手を機能不全にする、というサーナイトの戦略に、サマヨールというポケモンは合致的だというのが私の考えだ。
手札干渉の出力が高まること、カウンターキャッチャーを自発的にアクティブにできること、ダメカンにより相手システムにより強く触れるようになること、の3点がその理由である。

動き出しが遅く、相手にサイドを先行されがちなサーナイトにとって、サマヨールのサイド1枚献上は決して無視できる代償ではない。
それでも、それを補って余りあるリターンがあるとこのカードから感じる。

この記事ではサーナイトというデッキの中にあってサマヨールがどのような働きをするかを検討していく。

具体的には、サマヨールは、①自身の気絶により相手のサイド枚数を1少なくする、②相手盤面に50のダメカンを乗せる。
これらはいずれも重要な要素であり、別々に検討が必要になるので、以下では分けてそれぞれを考えていく。


サイド献上関連 手札干渉について

サマヨールのサイド献上は、手札干渉の威力を高めることにつながる。
ナンジャモのパワーが上がること、ツツジの採用ハードルが下がることがその内容だ。

ナンジャモは手札干渉の用途というよりは、事故からの復旧や序盤の自分リソース回復など、結構ラフに用いるカードなので、相手に与える枚数が1枚減るのは大きい。
特にこのカードは「使われる」カードでもある。相手が手札を回転させる用途で打つナンジャモの出力が下がるのは大変喜ばしい。

ツツジの採用も十分考えられるようになる。要はサイド4の状況にさえなれば、自発的にアクティブにすることができるのだ。
この場合は、シャリタツ・エルレイドによってアクセスを増やすことや友達手帳によって使いまわすことなども併せて検討したい。

なお、サマヨールの気絶によっては、アンフェアスタンプの発動条件を満たすことはない。
「前の相手の番に」自分のポケモンが気絶していることが条件だからだ。

サイド献上関連 カウンターキャッチャーについて

サイドが同数だったとしても、サマヨールの気絶によって、カウンターキャッチャーの発動条件を自発的に満たすことができる。

ダメカンを乗せたポケモンを同一ターン中にマシマシラ等によって落とすとしても、一時的にカウンターキャッチャーが有効であるタイミングを作ることが可能だ。
サマヨール気絶→カウキャ→マシマシラ(ベンチのポケモンを落としつつ、それはそれとして別のポケモンを前に呼べる)、サマヨール気絶→カウキャ→攻撃(下記「サマヨールによる盤面干渉」で後述)など動きにバリエーションが作れる。

カウンターキャッチャーは何といっても他のサポートと同一ターンに使えることが嬉しい。ペパーから道具と共にサーチしてこれるのもいいが、何といっても、出力の上がった手札干渉と共に使えるのがいい。
サケブシッポやハバタクカミによって前のポケモンを縛る動きをするのに合わせて手札に干渉することにより、相手に空白のターンを作る公算が高まる。

サマヨールによる盤面干渉

実際、サーナイトデッキはサマヨールを通じて、どれくらい盤面に干渉できるのだろう。
単体ではダメカンを50乗せるだけだが、サーナイトデッキの愉快な仲間たちと組み合わせると色々と見えてくる。

マシマシラとくっつけると、50+30=80まで落とせる。
マナフィ(HP70)はサケブシッポを通すうえでは是非とも取り除きたいポケモンだ。技の権利を行使せずに(そして釣り竿で復旧させる猶予も与えずに!)落とせるのは非常に大きい。

ハバタクカミとのくっつきもいい。これはカウンターチャッキャーを自発的にアクティブにできることに親和的だ。
例えば、ビーダルは逃げエネが2エネであることから、縛る対象としては適している。サマヨールでHP70までの種ポケ(例:セビエ)にダメカンを乗せつつカウンターキャッチャーをアクティブにし、ビーダルをバトル場に呼んでハバタクカミで攻撃する。後ろのセビエは気絶させつつ、場のビーダル(90ダメを負っているのでマシマシラで後々落とせる!)の特性はハバタクカミの止められているという、好ましい状況が作り出せる。

ビーダル縛り。セビエの所はヒトカゲでもドロンチでも

更に、サマヨール+マシマシラ+ハバタクカミがくっつくと、50+30+20で100までいく。前には90が飛ばせる。
これは、同一ターン中にドロンチ(HP90)・ネイティオ(HP100)の2枚抜きを可能たらしめる。スーパー月光手裏剣だ!ハバタクカミがバトル場に居座るため、シャリタツや場で進化したいドロンチを咎めたりして返しのターン中にも活きるかもしれない。

ハイパーアロマへの検討

こうして書いてみると、①サーナイト側から積極的なアクションを展開できるパターンがある。
しかし一方で、②サマヨールは単体では有効に動けず、特定のカードとくっつくことによって真価を発揮できるポケモンだということが見えてきた(サマヨールを動かすには要求値がある程度高い)。
また、③サーナイトデッキでは進化ポケモンにアクセスできるサーチカードが乏しい。

こうした①②③の事情から、アンフェアスタンプではなく、ハイパーアロマによることはできないか検討したい。

①について、もちろん、サーナイト側がこうした仕掛けを講ずることができるようになるのは、最速で先手3ターン目・後手2ターン目だ。環境デッキの動き出しはこれより遥かに早い。相手の早い動き出しを止めるための一方策としてのアンフェアスタンプは依然有効だ。
ハイパーアロマは先手を取ることを強く推奨するカードであるので、先手1ターン目はクレッフィやミミッキュをバトル場に置くなどして相手の展開を滞らせたい。

②について、ハイパーアロマはカードを3枚サーチするカードだが、その3枚の内訳というか、サーチの結果何が何が起こるかを考えてみる。ここでは仮に、うち1枚をサマヨールに充てたとして、

・ドローエンジン(キルリア)
・ドローエンジン、サーナイトの乗せ先を作る(キルリア)
・相手ポケモンへの干渉(サマヨール)

要は、2/3が更にリソースを増やすカードになる。
結構すごいことをしている。種ポケの下準備が必要とはいえ、継続リソース、盤面形成、盤面干渉を1枚でこなすエーススペックはない。

サマヨールは他のカードのくっつきを求めるカードなので、キルリア2匹でここを引きに行ける。サマヨール・キルリアの成立に必要だったボール系のサーチを他のリソースを求めるのに充てられるのも大きい。

③について、ヨマワルは進化に1ターン使うが、サーナイトはとにかくベンチが狭い。キルリアライン、ゲッコウガ、マシマシラ、ハバタクカミやら何やらが並んでる。サマヨールを使うタイミングがあるのにベンチにヨマワルがたむろしているような状況は避けたい。
また、ヨマワルはHP60のものしかカードプールにないため、ドラパルトに対しては一刻も早く進化させて場から消したいという喫緊の問題がある。

現状、進化先に触る手段としては、技マシン エボリューションを除いては、2,3枚のハイパーボールしかなく、場のヨマワルを速やかにサマヨールに移行させる手段として、ハイパーアロマ(間接的にペパーからも触れる)を使いたい。
なお、サマヨールが採用されれば、キルリア4+サマヨール1で5匹の1進化ポケモンがデッキにいることになるので、エボリューションとハイパーアロマを1:1で採用しても2+3枚で過不足なくサーチしてこれるようになる(実際は5枚のうちいずれかがサイド落ちしていることも考えられるが)。

上記①②③に加えて、サポートによる手札干渉の出力が上がっていることはアンフェアスタンプを外す理由になりうるだろうか。

仮にツツジが採用されるとして、使い勝手は異なる。ペパーからサーチができて、相手の初撃からカードをアクティブにできるアンフェアスタンプはやはりオンリーワンなカードだ。
3,4枚返すナンジャモも、カウンターキャッチャー・サケブシッポと併せて撃つ干渉としてはアンフェアスタンプに比べ心もとない。

ミライドンや古代バレットのような、攻めが早くてドローが苦手なデッキ相手に、アンフェアスタンプは劇的な逆転劇をもたらしてくれる。そして、こうしたデッキ相手にサマヨールの50ダメカンは有効に働かない(サイド1枚献上も非常に重い)。
ただ、早いマッチアップにおいて、早期に自分の動きを実現できるハイパーアロマもそれはそれで偉い。もたついた序盤の隙をつかれて準備の暇もなく猛攻によって盤面壊滅、みたいな負け筋を消せるので、こうした対面でもハイパーアロマの方がいいことはある。

現状、アンフェアスタンプを積極的に外す強い理由はない。サマヨールを採用しつつも、アンフェアスタンプであることは可能だと思う(ツツジのような怪しげなカードに難色を示すプレイヤーなら尚更だ)。
ハイパーアロマでデッキの回転率が上がる→デッキが回った結果の出力がサマヨールの加入により高くなった(のでアンフェアスタンプよりもバリューが生じる)、というのをハイパーアロマ採用の拠り所としたい。

余談(その他に検討したこと)

夜のタンカーとすごい釣り竿

新弾では夜のタンカーも収録される。トラッシュのポケモンを拾えるということで、同じ役割の釣り竿との比較が問題になる。

タンカーは直接ハンドに加えるため、ボウルタウンなどによらなくてもよく、回収したターン中にポケモンを場に出力できる蓋然性が高くなる。
フワンテやサケブシッポの再利用をよくするデッキなのでこのカードの登場はありがたい。

一方、釣り竿は一度に複数枚を戻せるため、サーナイトの進化ラインを一度に回収できるのが偉い。そして、サマヨールが採用されるならば、この進化ラインも戻せるため、サマヨール自体の採用枚数を絞っても1ゲームに2度の利用が可能だ(相手のマナフィ復旧に合わせる形になるだろうか)。

現状、サーナイトの釣り竿の枠は2枠となっている。
タンカーと散らされての採用になるというのが個人的な予想だが、この枠の動向にも注目したい。

励ましの手紙

大地の器と励ましの手紙を散らしているリストをたまに見かける。
サーナイトは受けるデッキなので後者も発動タイミングがあるというのが理由だろう。

サマヨールの気絶を頼りにこのカードを積極的にアクティブにできないか!…と考えたが残念な事に「前の相手の番に」気絶が条件だ。
アンフェアスタンプ、メロコ、ハッサクあたりも同じ書式なので注意されたい。

終わりに

こんなに長々と書いておきながら、サマヨールが、サーナイトのギチギチなデッキ枠に割って入れるかはわからない。
枠の都合で採用を見送られることなんて全然考えられる。動き出しの遅いサーナイトデッキには相手にサイド1枚を献上する余裕なんてないかもしれない。

それでも、特定アーキタイプへのメタに留まらないカードであり、デッキ内の色々なカードともシナジーをするカードなので是非とも採用を検討していきたい。

個人的にはサーナイトデッキの推しポイントは、ゴチャゴチャと動いてHPを水増ししたポケモンにダメカンを乗せて殴っていくという「キモイ動き」をできることだ。
サマヨールの「キモい」テキストをデッキという形で救い上げてキモいプレイパターンを見出していきたい。

(特に続きはないですが、賽銭箱だけ置いておきます。次はサーナイトデッキに入り始めたシャリタツについて検討したいと思っているので、執筆のモチベーションになります)

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