毛虫で救急センター

夫が毛虫に刺された。

昼過ぎに、近所にできたラーメン屋に遅めの昼ゴハンを食べに行くところだった。目当てのラーメン屋は臨時休業で(このお店HPもないのだけど、行くと臨時休業のことが多く、まだ一度も食べたことがない)、よく行く馴染みのラーメン屋の順番待ちをしていたところだった。

夫の襟足に、黄色い汚れがついていて、夫が痒いと言っている。「鳥の糞でも落ちてきた?」なんて言いながら、順番待ちをして呑気に醤油ラーメンを食べた。

ここのラーメンは非常に美味い。台湾まぜそばも美味しいが、今日は醤油ラーメン。やはり、安定の旨さだ。


ラーメンの後に、夫はタバコ、私はコーヒーを飲んでまったりしていたら、夫の腕と首が真っ赤になっていた。尋常じゃなく、痒がる夫。慌てて、夫の背中を見たら鮮やかな黄色と水色の毛虫が這っていた。オロオロとカバンからティッシュを探すが見つからず、すぐに手にしたエコバックで毛虫を払い除けた。

毛虫を払い除けたものの、夫の腕と首は真っ赤になっている。医師の知り合いに連絡したら「救急外来に行っておけ」と言われて、すぐさま夫とタクシーに乗り込む。

風変わりな運ちゃんに圧倒されつつ、救急センターにたどり着く。物々しい発熱外来を尻目に、救急外来の窓口へ。お薬手帳と保険証を出して、問診票を書いた。


以前、夫が腸炎になって同じ救急センターに日曜日の昼下がりに行ったことがあったが、今日はそのときのような人出ではない。静まり返る、救急センター。

ほんとに救急の人って案外いないのかもしれない。救急センターの待合室、ガラス一つ隔てて、隣は発熱外来。

発熱外来は私が確認しただけでも、入れ替わりつつ、3人ほどの患者さんがいた。その患者さんの対応は防護服のスタッフ。初めて防護服を着ている人を肉眼で目撃。これは事件だ。いや、違う現実だ。ほんとにあるんだな、この光景。


夫は診察で軟膏を塗られて、明日になっても症状が引かないようなら皮膚科に行けと言われた。夫の診察をした中堅風の医師も夫の腕と首の赤みに驚いていた。

しかしアナフィラキシーショックもないし、多分大丈夫でしょって感じだった。


救急センターを後にして、しょげかえる夫。私もかける言葉が見つからない。大したことないとは言えない腕と首の赤み。なんとも言いようがない。

帰宅して夫にシャワーを勧めたが、夫は落ち込んでベッドに入っている。

前に救急センターに行ったときも感じたが、救急センターには独自の緊張感がある。コロナ禍ゆえに今は昔以上の緊張感。帰宅して、ドッと疲れが出たので、今夜はコンビニで済まそう。明日の朝のパンも買ってきつつ。


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