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書くことの大切さ 17

悪い気分を長引かせないために有効

 毎日の出来事によって気分が上がったり下がったりを繰り返し毎日を生活している私たち。できることならずっと良い気分のままで過ごしたいですが、なかなかそうはいきません。むしろ、日常生活はネガティブな気持ちになってしまう出来事にあふれていて、気分は揺れ動きます。
 そういうときには、毎日の悪い気分をあまり長引かせないよう、ひとつひとつ解消していくことが大切。
 つまり、悪い気分をあまり膨らまさないよう、ほどほどのところで少しずつ解消していく、が大切なのではないでしょうか⁈

筆記開示とは?

 「筆記開示」とは、簡単に言えば感情や思考を言語化すること。自分の気持ちを言葉で表現するだけですから、方法としてはごく単純。
 しかし、これがなかなか簡単ではありません。自分の気持ちを言葉にするというのは、意外に難しいもの。筆記開示は、この一見簡単そうで実はけっこう難しい感情の言語化をあえてするところに意味があります。

<筆記開示とは>
感情や思考を言語化すること
・自分の気持ちを言葉で表現することは、悪い気分を解消するのに役立つ

筆記開示の効果

 自分の気持ちを言葉にするには、自分の気持ちに正面から向き合うこと、そして、客観的に距離を置いてよく見てみることが必要です。
 そうすることで、まずは自分の気持ちをよく知ることができる。これが1つ目の効果です。
 よく知ることができたら、次はそれを具体的な言葉に表す。誤字脱字は気にする必要はありませんが、それなりに意味のある文章を表現しようとしてみてください。
 そのためには、観察した自分の気持ちが整理できていないと文章にはなりにくいですね。逆の言い方をすれば、言葉に表そうとすることによって結果的に、自分の気持ちが整理されていく、ということです。これが2つ目の効果です。

<筆記開示の2つの効果>
自分の気持ちを観察することで、よく知ることができる
・言葉に表そうとすることにより、自分の気持ちが整理される

 専門的には1つ目の効果を「セルフ・モニタリング」、2つ目の効果を「認知的再体制化」と言います。。
 この2つは「認知行動療法」という心理療法のアプローチの基本的な枠組みでもあります。
 つまり、筆記開示はとてもシンプルな方法ですが、そのシンプルさの中に認知行動療法の基本構造をそのまま内包しているのです。

○筆記開示のやり方・書き方

 筆記開示のコツは、「書けそうなときに書く」ということです。まだ自分の気持ちと向き合う準備ができていないのに無理矢理直面する必要はありません。「書いてみようかな」と思ったら書いてみると良いでしょう。
 これは、筆記開示を継続するためのコツでもあります。つまり、厳密にルール化したり、「書かなくては!」と無理に頑張ったりして、自分を縛りすぎないこと。
 ただ書いてみたいと思ったときに、書きたいことを書きたいだけ、自分の言葉で書く、そのくらいの緩い気持ちで続けてみると良いでしょう。

<筆記開示の書き方>
気持ちに向き合う準備ができた時に書く
・出来事から時間が経ってから書いてもOK
・無理に書こうとしたり、ルール化したりしない
・分量・誤字脱字は気にせず書きたいことを書く

自分の気持ちを表現する言葉を磨いておく

 筆記開示は「自分の言葉」で自分の気持ちを書く、という技法です。
そもそも言葉は、他の動物にはない人間特有のツールであり、つまり、人間にとってとても重要かつ強力なツールなのです。
 これを上手に使うことによって、自助的な取り組みとして自分の気持ちを整えていくことができます。
 別な見方をすれば、普段から本を読んだり映画を観たりすることで、あなたの「言葉」の力を養っておくことをお勧めします。

 豊かな言葉を持てば持つほど、気持ちが整い、心も豊かになっていきます。何も良い言葉だけを身につける、ということではありません。自分の気持ちを表現する言葉のレパートリーをたくさん持っているほど、気持ちを整え、心を豊かにするツールとして威力を発揮します。
 そうして日々、言葉を磨くことが自分自身を磨くことにつながっていきます。

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