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スゥエーデンボルグが記した    『霊界日記』

 生きながら自由に霊界を行き来した人物として世界的に有名なのは、前述したスウェーデン人のエマヌエル・スウェーデンボルグ(1688~1772)です。私も強く影響を受けています。ボルグは自然科学、数学、物理学、哲学、教育学、心理学など20にもわたる学問領域で多くの研究業績をあげた偉大な科学者でもありましたが、1747年にいっさいの科学的研究活動を放棄。その後は霊界研究に生涯を捧げ、霊界で見聞・体験した事柄を『天国と地獄』『霊界日記』に書き記した人物です。スウェーデンボルグの霊的体験に基づく大量の著述は大英博物館に保管されています。


 ボルグは霊界を探求するなかで、あの世もこの世も一つの世界であり、天の理は神であり、天の理なるものが、この世もあの世も含めた全世界を作っている根本原理である。と記しています。また、そして霊魂は永遠である、とも。また、次のようなことも残しています。

 「精霊界に入った霊は、ここで初歩的な”教育“を受けてから次の段階に進んで行く。精霊界にいる期間は、それぞれの霊によって違っているが、間違った考えが染みついてしまった者ほど、長い期間ここにいなければならない。中には何十年も、ここにいる者もいる」

 「霊界では、それぞれの国や団体のレベルによって街や住居などの貴賎、美醜にも段階的な違いがあり、最上界の天国の霊は、えも言われぬ美しい街、美しい住居に住み、地獄の霊たちは悪臭を放つ汚いところに住んでいる。霊の世界では、われわれがこのようなものがほしいと考えれば、その”考え”は樹木だろうが、道だろうが、風景だろうが形になって現れるのだ」

 「地獄の霊は、人間だったときの悪業に対する刑罰として地獄に落とされて、そこで刑罰を受けているわけではない。地獄の霊は地獄が自分に合っているが故に、自分で自由に地獄を選んでそこに行くということであった。従来の宗教的な霊界観は、地獄は人間だったときの悪行に対する刑罰の場だという見方で、地獄のことを理解してきた、これと私の立場を比べてみると両者は完全に違っている」

 これらはほんの一部ですが、霊界の様子については、スウェーデンボルグと出口王仁三郎が見てきた霊界は類似しています。それもそのはず、王仁三郎は、スウェーデンボルグの著書を読み研究していました。したがって、王仁三郎の示した霊界観はスウェーデンボルグの影響を大きく受けているのです。
 またボルグは、キリスト教会の間で聖者とされている人びとの多くが死後、地獄に言っているのを見た、と書いています。これが、欧米では世間に大ショック、大騒動をもたらしたことはあまりに有名な話です。このため彼自身は教会関係者からは、異端の徒でかつ狂人とされましたが、明治期に誕生した出口王仁三郎も政府から2度も徹底した弾圧を受けています。

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