トラウマ治療

トラウマ治療には、目の動きが重要な役割を果たします。EMDR、ブレインスポッティング、いなふく先生の見る見る瞑想…。すべて目の動きによってショックで凝り固まったエネルギーを解放するようです。

2016年のクリスマス、東京で行われたブレインスポッティングの研修会に参加した時のことです。講師によるデモセッションの後、二人ペアになって練習する際、思い切って18歳の時の性犯罪被害を取り扱ってもらうことにしました。このような練習では、親に叱られたとか、犬に吠えられた程度の、もっと軽いテーマを扱うべきですが、高野山大学のスピリチュアルケアコースで自分と向き合うワークをさんざん積み重ねてきた後だったので、大したネタが残っておらず、長らく封印してきた体験を取り扱ってみたくなったのです。

当時、具体的に何があったか、記憶の箱の中に完全に封印してしまっていたので、この時まで性交を強要されたと勘違いしていました。しかし、さすがはブレインスポッティング。セッションが始まると、男のモノを握らされた左手の感覚がジワジワ蘇って来て、しばらくして消えました。そして、身体に被害は受けなかったこと、大粒の涙が右目からお臍の下まで流れ出たことを思い出したのです。既に、32年もの年月が経過していました。

トラウマ治療には、眼球ではなく、ボディにはらたきかけるソマティックな方法もあります。
「リセット」として改良される前のトラウマ解放エクササイズ「TRE」を本を片手に、自宅でやってみた時のことです。(圧倒されてしまうことがあるので、自宅で独りでやることはお勧めしません。専門家の前で安全に体験してみてください)

リセットは立ってやるので安全ですが、TREは仰向けに寝て、両脚を広げ、いわゆる正常位と同じ体制を取るため、霊に襲われた時か人間と初めて交わった時かわかりませんが、いずれにせよ、初めての性行為の時の恐怖がまざまざと蘇ってきました。そして、エクササイズをしているうちに、消えていくのがわかりました。女性の多くが同じ恐怖を感じるのではないかと思いました。だからこそ、TREは女性には特に危険ではないかと思っています。

トラウマ治療には、言語は不要です。なにも語らなくてよい、何も思い出さなくてよい、ソマティックなアプローチをお勧めします。自然に体感だけが蘇って来て、しばらく味わうと、やがて、消えていきます。体感を受け止める勇気がない間は控えた方がいいですが、トラウマ専門の治療家のサポートを受けながらだと、いつでも逃げ込める安全地帯を確保しながら、慎重に進めてくれると思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?