#14 0歳のリハビリ
「ぽっ ぽっ」て、音がずっと鳴っている、血圧や、呼吸数などを計測する機械が、サクラの体から外れました。
体を縛っていた線が外れたことで、抱っこをしながら病棟内での散歩が可能になりました。
サクラとハハの限定された行動範囲の縛りが無くなるだけで、ストレスは大きく変わります。
初めて、ベランダに出て、外の風にあたることもできました。
毎日のように、理学療法士の先生がサクラの小さな「あんよ」をみてくれます。
最初は、まだNICUにいるころ。
サクラは、脊髄に傷がある可能性が高いため、下肢の運動や感覚、成長に後遺症が残る可能性があると言われていました。
チチもハハも専門学校の時に「リハビリテーション学」を(浅く)一通り学んでいたため、ある程度、専門用語が理解できます。
運動や感覚って聞くと、0か100か。
というイメージがありますが、実は、その中間の可能性もあります。
例えば、両手を一直線に伸ばすことはできるけど、その状態で重たい物を支える力はない。という感じです。
100%の本来の力と比べて、30だったり、60という可能性もあるのです。
左右を見比べ、力を比べ、皮膚の色(血行)を見て・・・
まいにち毎日 「サクラちゃん、どうかな?」
最初は、チチもハハも、緊張して、しっかり聞き耳を立てていました。
理学療法士さん 「左足の外側が、少し弱いかも。」
「弱い。」と聞くと、ドキってして、最初は不安になりました。特に、ハハは苦しくなりました。
だけど、毎日「弱いかな。」聞いていると、「知ってるわ」になり、ニ週間ほど経つと(心の中で、小さな声で)「うっせぇわ」になります。笑
もちろん、日々の小さなアンヨの見守りに感謝していますが、「ここが弱い。」のメッセージに疲弊します。
だけど、
サクラと一緒に自宅に帰るためには、今の様子。これからの注意。そして、家族ができること。
地域の資源だったり、理想的な衣食住など、専門家から学べる情報を頭に叩き込まないといけません。
今しかない、大切な時間。
私たちも、サクラと一緒に帰ることができる日まで、気持ちと体調を整えて、暮らしています。
サクラのチチ