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良い文章を求めすぎると芥川になるらしい

「残念ながら今回、ino様の採用は見送らせていただくことになりました。またの機会に___」

今日も届いてしまった。いわゆるお祈りメールってやつ。

2日前くらいにも同じような内容が届いた。


端的に言うと「あなたの実力は私のとこにはいらないよー。ほかを当たってねー。」ってこと。

毎回毎回メールを開くのは緊張するけど、最近は特にお祈りが多くて見るのが億劫だ。

真剣に何かに取りつかれているんじゃないかってくらいライター業がうまくいってない。


今に至るまでの状況を少し説明させて欲しい。

大学三年生になった今年の6月、私は就職することを諦めた。

うつ病を発症したことと、普通に企業に就職することは私の肌には合わないってことが分かったから。

そこで何になろうか自己分析を続けた結果、私は「自分の文章で人を救いたい」と思って、フリーランスでライター業をすることにしたのだ。

それなのに、本当に最近はものを書くことについて思い悩んでしまうことが増えた。

自分の書く文章に自信がない。

毎回人に見てもらうのが怖い。

良い文章の定義が、分からなくなってしまった。

芥川龍之介は、良い文章を求めすぎて死んだ

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客観的に見ても主観的に見ても、これは間違いなくスランプだ。

今月は収益10万を越したいのに、全然仕事が手に入らない。

文章力を見るテストに受からない。

辛い。

あまりに受からないので、人に受け入れられるような良い文章を書きたくって、表現技法や接続詞の勉強をすることにした。

その結果、余計に分からなくなってしまった。

良い文章って文法がちゃんとしてるものってこと?

それだと個性はどうなるの?無くなるの?

でも個性があるからと言っていい文章とは限らないよね?

ああもうなにもわからない。

分からなさすぎるので父親に相談することにした。

「お父さん、良い文章ってなんだと思う。」

「急にどうした。作家みたいなこと悩んで。」

作家みたいなっていうか、作家になろうとしている結果悩んでるんですけど。

「いろいろ考えてたら、何が良い文章かわからなくなっちゃったんだよね。かえって混乱しちゃった」

私がはぁーとため息をついた後、父親はものすごい怖いことを言った。

「それを突き詰めると、芥川龍之介になって自殺するんだよ。」

ん?????

あくたがわりゅうのすけ??

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画像引用:Wikipedia

芥川龍之介は誰もが名前を知っているであろう、明治時代から昭和のはじめを生きた作家だ。

数々の名作を世に送り出したが、最後は自殺という悲劇的な人生の結末を迎えている。
自殺の真相については諸説あるが、とりあえず今は父親の言ってたように文章で悩んだことが原因と定義させて欲しい。

とか偉そうなこと書いてるけどすみません。私芥川さんの作品読んだことありません。

多分これからも読まないと思います。本読むの好きじゃないんで。

っていうかそこじゃなくてさ、

良い文章って、突き詰めすぎると死んじゃうの?

え?私死ぬの?やだよ??

「なんでそんな怖いこと言う?」

「まあだから、考えすぎると辛いってことだよ。」

なるほど。

まあ確かに、物事を考えすぎると良くないのはわかる。

かといって、今のスランプ状態をどう乗り越えるべきなんだろう…。
死にたくはないけど辛いんだよな〜。

悩んだ私はツイッターに吐き出した。

すると、ありがたいことに本の紹介をしてくださる方がいた。

「本か。いいなあ。本を読めば何かしらヒントになるかもしれない。」

時刻はもう夕方だったけど、行動力だけは人よりあるので、ツイートを見てから10分後にはもう家を出ていた。

駅に行ってスランプ脱出のための本を探す

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11月だけど、今日は最高気温20度を超えているみたいで暖かかった。

なんなら厚着すると暑いくらい。

「本屋に行けば、私のスランプを脱出するための本が見つかるはずだ」

「良い本を探すぞー」

私は単純馬鹿なので、本が私を救う唯一の手段であると信じて疑わなかった。

逆に言うと、本が無かったらスランプから抜け出せないと思っていた。

本屋につき、目当ての本を探す。

実は、本屋に行くのはかなり久しぶりだった。

ライターになることを決めて毎日のように通っていた、6月ぶりくらい。

あの頃はライターってどうやって稼いでいけばいいのかわからないし、永遠ニートなんじゃないかとか不安でいっぱいだった。

でも、その一方で、

ライターという職業を純粋に楽しんでいた時期でもあった。

成功しているライターさんが書いた本を読んで「あんまり面白くないな」とか

「私の方が良い文章書けるわ」とか、かなり生意気なことを思っていた。

それだけ、自分の書く文が好きだった。

ものを書いて形になることが好きで好きで、たまに人から褒められると心がジンって温かくなって、もっと文章が好きになっていた。

「あの頃は私、文章を書くことを楽しんでいたんだ。」

今は完全に無くなっていた感情でいっぱいだったことに気づいた。

今の私は、楽しんで文章を書いていない。

良い文章だけを探して、求めていた。

本屋で得た報酬

30分くらい本屋に居て、満足したので帰ることにした。

少しだけ気持ちは軽くなった。

せっかくなので私が何を買ったかご紹介しようと思う。

今回私が買ったものはこちら!!!

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まじ美味かった…。

ポイントは、ガムシロを半分くらい入れる事。

もともとミルクティーで牛乳が入っているので、全部入れると甘さが多すぎちゃうからね!!

ショートだと持ち帰りで399円だから、結構お得だよ!!!!

・・・・・・・・・。

え???なに??

すみません。本は買わなかったんだ。

別に本を買って、それを紹介しますとは言ってないから!!

もしも本を知りたかったのに!!って方がいたらごめんなさい。謝ります。

でも聞いてほしいのは、

今の私に合う本は見つからなかったってこと。

別にフォロワーさんが紹介してくれた本が合わなかったわけじゃなくて、10冊くらいパラパラ見たけどどれも響かなかった。

今の私にはね。

本を見つける前の、本屋に行った時にもう大事なことを思い出せていたんだ。

だから、本に頼る必要はなかった。

私は、文章を書くことが楽しいんだ。

これが、私が文を書くための原動力なんだ。

そう思った時、すごい自分に納得して、何も買わずに本屋を後にした。

良い文章って結局何なんだろう

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まだ完全にはスランプから抜け出せていない。

良い文章っていうのはやっぱり人によって違うし、実際テストに落ちている時点で私の書く文はまだ不完全だ。

ただ、ただね。

今このnoteを書いていて思った。

文章書くのってすっごい楽しい!!!!

それだけで、その気持ちだけで、

良い文章かはわからないけれど、私の気持ちが乗った文になることは確かだ。

あと、芥川さんごめん。

まだ私はあなたほど良い文章について悩めないようです。

あなたの気持ちを理解しきれてはいないです。

まだ、死ねません。

もしも天国に行った時にあなたに会える機会があったら、

良い文章の定義についてケンカしながら語り合いましょう。

それまでに私はライターとして結果を出せるように、頑張りますね。

ライター楽しむぞー!!

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