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60歳と65歳のケンカ

40歳の私が新人で入った時から
二人が犬猿の仲なのはすぐにわかった
お互いに挨拶をしない
近寄らない
お互いがお互いの悪口を言う
楽しそうに悪口を言う
お互いのミスを笑って馬鹿にする
60歳と65歳
2人は定年して再就職先で出会っている
私の父親くらいの2人
孫がいる2人
そんな2人が声を荒げてケンカした
まだ寒い日の朝だった

「もう生きてないよ、悪かったなぁ!!」
叫びながら入ってきた60歳
「あ゛ぁ!?
お前なぁ、俺のほうが年上だし先輩だぞ!?」
胸を突き出し威嚇する65歳
殴り合いになりそうな雰囲気を
息子ぐらいの班長が間に入って止めた
まだ寒い日の朝の出来事

年上の先輩にケンカをふっかけた60歳に思えた
あとから60歳に聞いた話はこうだ
トイレに行こうと階段を昇ってる途中で
65歳が降りてきた
そしてすれ違い様に言われたそうだ
「お前みたいなの、親の顔がみてみたいよなぁ」
すぐに言い返したいのを堪えてトイレに行った
いつものように相手の言う事は無視して
いつも通りに仕事をしようと扉を開けたが
「もう生きてないよ、悪かったなぁ」
と叫んでたそうだ
申し訳ないと謝る60歳
あいつはキチガイだと上司に報告する65歳
どっちが?と思い、私は65歳を否定した
嫌いですって態度に出した
でも同じことしちゃったらどっちもどっち

前職では悪い人を捕まえてた60歳
前職では火を消してた65歳

事件が起きないと仕事がないから
誰かのミス探しに時間使っちゃうの?
こんなことは日常茶飯事なのか!?
この世代には日常茶飯事なのか!?
気を悪くされた
同じ職業の方々ごめんなさい
同世代の方々ごめんなさい
そんな時代を、職場を生きてきたのは凄いこと
人と関わることを避けてきた私の
社会経験のなさからの印象です

相手に無視されるから
と自分から挨拶出来なかった私
私の中でモヤモヤが残った
無視されても挨拶はしようと続けてみた
65歳が挨拶してくれるようになった
相手に変わってほしかったら
まずは自分から、かぁ
少し大人になった40歳の冬

今回これを書こうと思ったのは
年数経っても2人をジャッジしてる自分が
嫌になったから
年齢、職業とかで人を否定しないぞ
人の振り見て我が振り直せ
昔からよく聞く言葉はその通りだ
他人は鏡、とも言うのかな
文章にして学びを得たことを確認して
智慧として頭に残しておこう

今まで気づかなかったけど
自分の楽しいことのほうへ時間と思考
エネルギーを使うほうが良いこと起こる
自分次第なんだなぁ
どこにエネルギーを使おうか
笑う門には福来る
笑うことが増えるようにエネルギー使ってみよう

いろんな衝撃を受け学びを得た
寒い日の朝の出来事

だいじょうぶ
みんなちがってみんないい

最後まで読んでいただきありがとうございました

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