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伝えると伝わる |デザインの秘伝⑦

具体的にどんな風に?とかがある訳ではなく何となくイケてない。何となく違う。って感じる時ってあると思います。
そんな時は大体「〇〇だから」とか、何かしらの理由をつけたくなります。人の思考というのは、そういうものです。
分からないもの対して自動的に分析してしまうし、何か適当な答えが出せるようにできてるのです。答えが出ればスッキリもしますし、そのあとの行動も明確になります。

最近の「仕事術」、または「デキるやつ」は必ず課題を明確にしながら仕事をしています。〇〇な理由は何なのか?
「Whyって5回いってみな、答えが見えてくるから」これ基本です。
大事ですね、大事ですよ、大事なんですけど、何にでも当てはめるのは違うのです。
特に、人の感情や気持ちに繫がるものは難しいフレームです。
物事の原因や根本があるだろうと思える時には良いのですが、前提となる価値観や大義のように、人のモチベーションに対して突き詰めすぎると、最後には骨と革しか残らず、逆になぜやるのかが分からなくなってしまいます。

例えば、「伝える」=「理解」「伝わる」=「共感」は大きく違っていて、「Why」によって輪郭がはっきりしているものほど理解しやすいのですが、輪郭の外に出てしまった部分を無視してしまいがちですし、受けて側の創造性が失われていってしまいます。
理解してもらえるように分解することも大事なんですけど、共感するとは限らないですよね。

そんな訳ですから僕たちデザイナーに出来ることは、社会、経済、俗世間、ご家庭事情に至るまで、あらゆる分脈から絶妙なニュアンスの「問い」を抽出して設定すること。
「もしかしたら本当はこうなのでは?」と言う「問い」を見つけ出すことが大事だったりするのです。
そして、その「問い」は受けて側に委ねて良いです。そこに共感があると思うのです。

言葉にならないと説明責任がないとか言われてしまいそうだけど、時には余白があって良いと思う。そんな勇敢さが、唯一デザイナーにはあって良いと思う。

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