京都日本酒ドロップキック 2024 参戦記

2024年5月19日 日曜日。
去年に続いて、今年も雨……
それでも京都の繁華街に集った呑兵衛たちは、ご機嫌に酒を呑み、さらにご機嫌になっていくのであった。

「京都日本酒ドロップキック」は、参加する居酒屋が1つの酒蔵さんとタッグを組み、700円~1000円で日本酒と料理(つきだし)を提供する……と、簡単に言えばそういうことだが、参戦のためには、参加店で参加証を購入しなければならない(今年も一部京都市交通局でも売っていたようだが、基本的には参加店に直接出向いて升を購入しなければならない、というところが特徴)。
ちなみに、今年の参加店舗(=酒蔵)の数は24。

今年の参加証はクリップ
これを衣服や鞄に挟んで店舗を回る

9:00 東京駅

日曜日の朝、これから旅先に向かうのか、或いは地元に戻るのか、新幹線はほぼ満席状態。
京都でのことを考え、お弁当を食べて、少し寝る。
11:15に京都駅到着。去年もだったが、今年も修学旅行生たちが列をなしている。
京都は小雨。時間があるので四条河原町を少し上がったところにある「チェックイン四条烏丸」ホテルまで歩き、荷物を預け、そのまま出発。
烏丸通を丸太町辺りまで歩き、途中で西に入る。

12:20 本鮪と創作和食 吟醸くらうど丸太町店

1軒目。日本酒は『聚楽第』(佐々木酒造、京都)。京都の酒蔵といえば伏見が有名だが、元々日本酒は洛中(まさに聚楽第じゅらくだい)で醸していた。
その名残を唯一残しているのが佐々木酒造さんだが、まぁお酒に興味がない人には、俳優の佐々木蔵之介さんのご実家、という方がわかりやすいだろう。

つきだしは、「鮪の生ハム」

12:40 肉酒屋 輪っか

さらに北西に進み、今年の最北端『肉酒屋 輪っか』さんに到着。

つきだしは、「和牛肉わさとスジコンの2種盛り」
お酒は、『城陽』(城陽酒造、京都)

店長さん??が挨拶に来てくれる。GWにベロベロの状態で立ち寄って、寝てしまったところを起こされたことしか覚えていないのだが、「すごい楽しそうに呑んではりましたよ」と言われ、ホッとする。

地下鉄に乗り、南東を目指す。先斗町の北の端にひっそり佇む。『japanese bar酒蔵しゅくら』さんへ。

13:20 japanese bar 酒蔵

お酒は『十石』(松山酒造、京都)。何でも、最近できた酒蔵さんらしい。

つきだしは、「十石の酒粕アイス」もしくは……

「シュクラの酒の肴」

つきだしとしては珍しいのか、何故か、年齢・性別問わず、みんな「十石の酒粕アイス」を注文。
酒蔵の人らしい若い女性が「アイスって作れるんですね」と感心していて、何だか微笑ましい。

お店を出て、昼間の先斗町を歩く。歌舞練場では「鴨川をどり」が行われているらしい。先斗町は夜のイメージが強いが、外国人観光客のためなのか、お昼から営業しているお店も増えている印象。

13:50 たち呑み しゃーぷ

四条通を少し下がったところにある立ち飲み屋さん。
店舗が狭いので何人かが雨の中待っている。
店舗の横にテントがあり、若い女性店員さん2人と、若い男の子1人(店主の息子さんがお手伝いしているらしい)がいる。
「ここでも飲めますよ」
というので、そこで飲ませてもらう。

つきだしは、「ふぐ白子の炙りポン酢]
久美の浦(熊野酒造)

最初は私一人だったテント飲みは、やがてポツリポツリと増え始め、情報交換をする。みんな「ほんしゅや 三徳六味さんには行きたい」と言う。
と、女性店員さんの知り合いの女性が会社の同僚という男性と共に現れる。何故か女性店員さんも交え、缶ビール(ちゃんと売っていたのだが、キリン一番搾り350mlが、200円!!本当なのか?これを書くと怒られるのではないかとビクビクしている)で乾杯している。
と、先の同僚男性が参戦者として現れた2人組の男性に驚く。なんと、学生時代の同級生で10年ぶりの再会だという。不思議なご縁は、あるものだ。

みんなと別れて、四条通の地下通路で西へ向かう。
地下通路の壁には、任天堂の「スーパーマリオブラザーズ」の絵が描かれ、スピーカーから小さく、ゲーム音楽が流れている。
途中で土管……ではなくちゃんと階段を上がって地上に出る。

14:30 ぽんしゅや 三徳六味 四条烏丸店

お店の前で店長とすれ違い挨拶。最初のピークが去ったので休憩するらしい。確かに開始から2時間半、そろそろ落ち着いてきて、店内もまったりした雰囲気。

突き出しは、「鳥白湯おでん」
お酒は、「たかちよ」(高千代酒造、新潟)

お店の入り口近くで店員さんと話す。
「さっきまで忙しかったんですけど、店長が休憩に入ったら、こんな感じですわ。店長が戻ってくるまでに一杯にしてビックリさせたいんですけどね」。
「大丈夫ですよ。さっきのお店でも、ここは外せない、って人ばかりだったから」
私がそう言った途端、来店ラッシュ。
さっき「しゃーぷ」さんで一緒にテント飲みしていた方も来店。挨拶を交わす。
カウンターで悠々乗んでいた私は、気が付けば端っこで小さくなって呑んでいる。
休憩から戻った店長が中の様子を見て、おののく。してやったり、である。

お酒を追加(もちろん別料金)

お店を出て、四条通を超えて六角通まで上がる。
「和鉄板ぞろんぱ」さんの前には長蛇の列。列をさばいていた店長が私に気付く。
「うち、400(人)超えましたよ」
さすが、ドロップキック随一の人気店だけある。
などと言っている間にも長くなっていった列に並ぶ気も起らず、「ひとしお」さんに行ってみるが、ここも列……

ホテルに戻ろうと六角通を西に歩く。
「居酒屋たのしみ」さんの前(2階の店舗に続く階段)には列が出来ていないので、寄って行くことにする。
お店の入り口には少し列ができていたが、「団体のお客さんがいて、その方たちがもうすぐ帰らはりますんで、そうしたらスカスカになると思うんで」ということで、待つ。言葉通り、数分で入店できる。

15:40 居酒屋たのしみ

つきだしは、「酒肴五種盛り」
お酒は、『冨翁』(北川本家、京都)

去年も思ったが、店主の人柄が良いのだろう。アットホームな空気が流れている。常連客も多いよう。

ホテルに戻り、チェックインを済ませ、小一時間練る。

17:25 立ち呑み ツキノコグマ

「和鉄板ぞろんぱ」さんに向かう途中にある、「ツキノコグマ」さんへ寄る。
つきだしと交換するための番号札をもらう。「394」とある(ちなみに去年は、ちょうど「100」番だった)。2時間ほど前に「400超えました」と言っていた「ぞろんぱ」さんの圧倒的な強さを思い出す。

つきだしは、「白鴻の酒粕を使った粕汁」
お酒は、『白鴻』(盛川酒造、広島)

隣の若い女性の方が、「どこかお薦めはありますか?」と聞いてくれたので、自信を持って「ぽんしゅや」さんを推しておく。

17:45 和鉄板 ぞろんぱ

グループ客が2階の座敷が空くのを待っているが、1階のカウンターを使う1人客はすんなり入れる。とはいえカウンターは満席で、後ろに臨時に設えられたテーブルに案内される。

つきだしは、「黒毛和牛サーロインステーキ」
お酒は、『白龍』(吉田酒造、福井)

ほどなくカウンターが空き、そこへ移る。
系列店「串鉄板ぞろんぱ」の店長でもあるオーナーがせっせとつきだしを作っている。
2階のグループ客もいるし、カウンターも混んでいる。しかし、どこか和やかな雰囲気だと思って、気が付いた。
「バタバタしてないね」
「何年もやってるうちに、ちゃんとできるようになったんっすよ」
店員さんが胸を張る。
約10年前の初参加のときから、つきだしは「サーロインステーキ」なのだが(当時はお肉のつきだしが珍しかった)、当初は必死でステーキを焼きまくっていたのだが、今は余裕がある。
その成長は素晴らしいのだが……
「なんか、つまんない」

追加のお酒、『夏さらら』


18:20 熟成刺し身と旨い酒 京都ひとしお

歩いて1分程で「ひとしお」さんに到着。そんなに待たず入店。

つきだしは、「熟成刺身」
お酒は、『津島屋』(御代桜みよざくら醸造、岐阜)

毎年なのだが、この辺りで飲み疲れが始まる(寝たはずなのに……)。
なので、ここから先、文章量が少なくなる。

19:00 まんざら亭 NISHIKI

例年最後は「一政」さんと決めていて、そこへ向かう途中、「まんざら亭 NISHIKI」さんへ寄る。

つきだしは、「猪の昆布締め炭焼き」
お酒は、『月の桂』(増田徳兵衛商店、京都)

さすが「猪」だけあって、獣っぽくてビックリする。
何度かすれ違ったお客さんが退店前に挨拶してくれる。
この時間までお互い、お疲れ様です。

19:15 立ち飲み やみー

さて、いよいよ「一政」へ。
と思ったら、その手前のお店で若い女性が客引きをしている。もちろん怪しい店ではなく「ドロップキック」の参加店だ。

つきだしは、「イタリア産キャビアの冷製パスタ」
お酒は、『羽根屋』(豊美菊ふみぎく酒造、富山)

女性は酒蔵の人(だったと思う)で、色々説明をしてくださる。
その真剣さに感激して(というか、若い女性と話して調子に乗って)、追加のお酒も注文。

追加のお酒

19:50 和ダイニング 一政

ようやくゴール。「一政」さんに到着。
「やっと来た」と迎えられる。
1階のカウンターは物置に使っているのでそこでは飲めず、2階の座敷に通される。

つきだしは、「かつお塩たたき」
お酒は、『獺祭』(旭酒造、山口)

色々話したつもりだが、もう覚えていない。
とりあえず、ゴールしたことに満足していた。

そんなこんなで、今年のドロップキック」も無事(とは言わないかもしれないが、大事に至らなかったので「無事」ということで……)終了。
這う這うの体でホテルに帰り、爆睡。

参加店舗の皆さん、参加者の皆さん、今年もおつかれさまでした。


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