TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days ~YONMARU~@大阪城ホールDay1

TM NETWORKがデビュー40周年を迎えた(1984年4月21日デビュー)。
昨年から今年にかけて全国を回った『TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days』の集大成、東京・大阪・横浜各2Daysのアリーナライブ『YONMARU』(以下、本公演)。その3公演目、大阪城ホール 1日目。
メンバー3人だけで回った全国ツアーから、阿部薫(ドラム)と北島健二(ギター、FENCE OF DEFENSE)のサポートメンバーが加わった。

上で「集大成」と書いたが、それはあくまで『TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days』ツアーの、である。
ライブは続くので詳しくは書かないが、本公演はTM NETWORK 40年の「集大成」ではない。
ライブは大きく分けて、「過去」・「CAROL AI Update Ver.」・「現在」から構成される。

30周年の『Quit30』でもそうだったが、彼らの中でやはり「CAROL」は重要な意味を持っている。とはいっても、オリジナルに固執しているわけではなく、常に(CAROL本人ではなく、テクノロジーとして)現在のクオリティーを追求すべくアップデートされている(CAROL本人でないのは、CAROL自身のスピリットは時代に関係無く、普遍であるからだ)。

本公演における「現在」の比率は非常に少ないが、意味として大きいのは「40年、TM NETWORKとしてやり続けられたこと」であり、全国ツアーのバックステージの様子を映した映像をバックに歌われるそれは、これまでの感謝と今後も続ける決意(或いは「責任」と云ってもいい)で満ちている(とはいえ、ファン(FANKS)であればこそ、小室哲哉の40年を思い返し、彼が歌うパートを、唯々「良い歌詞だ」と流してはいけない、と個人的には思う)。

本公演で重点が置かれているのは「過去」で、それは、演奏された楽曲のほとんどが"初期"TM NETWORKのものだったことから明らかだ(「TMN改名前」の、ではなく「初期」であることに留意。それはつまり、端的に云えば「Get Wild 以前」ということで、もっと云えば「ブレーク前」ではなく「ブレーク前」ということだ)。

そうして「過去」「CAROL」「現在」を渡ってきた約2時間のライブはラストの曲において、それらを踏襲し包み込んだ上で「未来」へと向かう。

約40年前、1980年代半ばという時代でもあったが故、「予言者」が語る未来は明るかった。しかし、その予言が当たろうが外れようが「予言者」は「見ることしかできない」存在であり、自ら未来を変えることはできない。それは、現実に21世紀が到来した時に明らかになった。
打ちのめされた「予言者」は、「潜伏者」として「ただ見る存在」となった。

時は流れ、2024年……
「予言者」は「ただ見る存在」であることを肯定した。
それは、負けを認めた、或いは開き直った、ということではない。
「予言者」は、これからも、どんな時でもFANKSの傍にいて、『今夜のような夢を見せてあげよう』と誓った。

2024年、我々FANKSは「電気仕掛けの預言者」とともに歩き出す。

メモ

『TM NETWORK 40th FANKS intelligence Days ~YONMARU~』
2024年4月26日。@大阪城ホール

『YONMARU』のロゴは「まる」の中に数字の「4」が入っている。「〇」と「4」は4つの接点を持っている。
ラストの映像で、ロゴマークから接線が消え、4つの点が残る。
最終的にそれがひとつになる。
本文でも書いたとおり、本公演は「ブレーク直前」の曲が中心となっていて、物足りなさを感じた観客もいただろう(私はむしろ、懐かしい曲が聴けてうれしかったが)。
この4つの点が何を意味するのか、妄想は膨らむ。



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