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【2021セミナー】地域の成り立ちと構造

2021年度7期のセミナー、「地域の成り立ちと構造」が2/25(金)にて全6回の講義が終了しました。

この講義の講師である横山さんは、丹波篠山市まちづくり部地域計画景観室室長として、農村計画や市民参加のまちづくり計画、景観調査・計画、ワークショップの企画運営などに携わられています。

本講義は、丹波篠山の「今」の景観が、どのように形成され、保全されてきたか、歴史的・空間的な構造の基盤から学び、理解を深めるプログラムとなりました。

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前半は、「景観とは」「地域とは」「まちとは」何か、それぞれの概念を理解した上で、いかに集落やまちが、自然の地形や人々の暮らしを生かしながら形成されてきたか、歴史的背景を学びました。農村と漁村の成り立ちの違い、丹波地域の地勢や篠山盆地の農村景観の特徴、町屋の構造と趣きある暮らしのあり様等、毎回大量の資料と共にテーマ内容に目と耳が釘付けに。

(受講生の感想)
・町屋の構造がよくわかりました。石積みや屋根の形状など、今後関心を持って見ていきたいです。
・町屋の構造や家屋の特徴、陰翳礼讃のお話など、学ぶことが多く日本人の感性の素晴らしさを再確認しました。

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 後半は、丹波地域の城下町・宿場町等の景観について、そこぞれの具体的な土地利用と空間構造を理解しました。また終盤では、丹波篠山市がどのような条例を定めて景観保全に努めてきたか、どの地区にどのような補助が適用されるか等、現在の景観計画の取り組みや実績、課題について学びを深めました。

・長年の経験と取材による貴重な写真や地図、特に街並みの解説にはこころ惹かれました。宿場町の形成や人モノの流れはよく理解できたと思います。もっと聞いていたいと思いました。
・日本は今後公益に資する土地利用は土地所有者の権利を制限していく必要があると思いました。                   

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横山さんは、「丹波篠山」という盆地について、「常に2キロ圏内にシルエットのきれいな山を見ることができ、四季折々の美しさを愛でることができる、こんな恵まれたところはありません」と明言されました。

自然や建築物などの空間、人々の生活やコミュニティなどの営み、どちらも生かすことで未来に残すことができる。皆さんには、篠山だけでなく、日本の素晴らしい景観について、もっと目を向けてもらえたら。横山さんの景観への熱い言葉が心に残ります。

「今後自分たちが起業、継業しようと考える土地」について、今の利便性に重きが置かれることは否めません。今回、時間をかけて形成され継承されてきた空間秩序の仕組みを理解できたことは、受講生にとって地域を捉える視点として、とても重要で必要な学びだったと感じます。

最後に、受講生の熱い声で実現した企画、「横山先生とまち歩き〜城下町編〜」の写真をご覧ください。

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