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第4回: モチベーティング・システムの構築

■過去リンク
第1回:急成長のためのセールス組織 爆速 再構築の軌跡
第2回:インサイド & フィールドセールス組織の立上げ
第3回:アライアンス & セールスエンジアリング組織の立上げ

インセンティブ制度の立上げ

現人員のモチベーティングと同時に採用強化をする上で必要と考え・Join間もなく即実行に移った制度変更がインセンティブ制度の導入となります。結論、外資SaaSでは当たり前のOTE(On-Target Earnings)制度の導入です(OTEとは(外部記事リンク)

  • 要はベース + 通常達成時のインセンティブ = OTE = 理論年収という考え方

  • 現場としては 裁量によって 多くのReturnを得れる機会が提供される

  • 採用側としては 理論年収ベースで候補者と会話ができる

※インセンティブ = 実際の売上 * 決められた係数 が基本

というもので、そもそも論 「現場のTop Salesは経営者より稼いでいて然るべき」「現場ほど裁量・数字で評価されて然るべき」という前提論があるのであれば、非常にリーズナブルな考え方となり、是非、個人的にはSales Led Growth要素が強い国内SaaS企業は積極的に導入していただき、最終 外資に負けない給与水準にブラッシュアップ・全体で底上げしていけると良いと思ってますが、当然 推進するにあたって様々な課題がありました。

OTE導入にあたってのハードル

通常のベース給与からOTEへ変革をしていく際に 間違いなく当たるであろうハードルが以下になり、これをクリアしていく必要があります

  • 現存メンバーのベース(生活水準)・フェアネス担保 & 原資の確保
    - 急な裁量性により痛みが伴いすぎてはいけない
    - ベースも据え置きで単純インセンティブ追加となると別部門に対してアンフェア 且 原資の確保が困難

  • (当社は ほとんどなかったが、他の会社が推進しようとする場合にクリアすべきハードルになるであろうのが)他の経営陣・ステークホルダーの理解 = 単純なコスト増と見られるリスク

ハードルをどう超えたか

結論、段階導入とコミットメントです。

  • ステップ分けの段階導入(道半ば)
    Step1: 現ベース給与の分割 + 最低保証の導入 ⇄ 低めの天井設定
     - 現ベース給与を1X分割して、その12ヶ月分をベース給与に再設定
     - 残分を原資として、当該原資のY倍までを上限として設定
     - 更に原資の半分を初年度は「保証」として設定
     - 計算方法はACV = 新規売上 * 一定係数
    Step2: 本格的なOTEへの移行
     - 制度導入の2年目から移行
     - その間に会社全体のビジネス進捗をPositiveにすることで基本ベース自体を底上げ
     - 保証を完全撤廃、同時に上限を高める
    Step3: 更に戦略的なOTEへの移行 ← 現状こちらの道半ば
     - 複数年契約獲得時のアクセラレーション追加(済)
     - 決められた期間の達成率に応じた係数変化(未)
     - Sales部門以外へのインセンティブおよびOTE導入(未)

  • ビジネスサイドからのステークホルダーへのコミットメント
     - 制度立ち上げの際の期待効果を目先の数字および組織作りの観点 = 期待効果 = やらないことのリスク および やることで到達できる世界観を関係者へ示す
     - 示したものに対して、コミットし 全責任を追い合意を得る

今後の課題・展望

既に課題 山盛り、そして上述の未実施部分をやっていく際に必ず必要となってくるのが、Sales Ops機能 = 人的組織およびシステム含めた仕組みとなります。要は計算・チェック・監査性の観点から片手間で行うのは困難であり、人的リソースで実施するのに限界が来るということです。

今後の展望としては、インセンティブの仕組みをはじめとした「Operation」部分をSalesだけでなく、ビジネス全体(Marketing/ Inside Sales/ Sales Engineering/ Alliance/ Customer Success)の側面から支えつつ、それら組織横断の数字に関する「Analytics」の機能も備えた Sales Opsならぬ、「Business Ops」組織の立上げ 及び 必要となるシステム導入を急ピッチで進めていこうと考えております。

その他 モチベーティングシステム

当たり前と思われるものから、なにやってんだと思われるものもあるかも知れませんがw 一部 番外編で触れさせていただきます。

  • 月曜の朝イチは必ずZoomでみんな集まってポジティブシンキング
    - 結構な人数が 1人 1-2分で 先週あった仕事に関係ないイベントを発表し合うところから必ず週をスタート
    - それだけで結構な時間になるのですが、リモートが当たり前になった現職場環境における人同士の繋がり合いという観点でも大事にしております

  • Spiffは積極的に
    - 部署単位でManager主導のもと 細かいSpiffプログラムは自由度を持って走らせる(ちょっとした KPIに対してスタバのコーヒー等)

  • OpportunityのProgressionはなるべく全件リアルタイムの称賛・拡散
    - 商談のフェーズUPはSalesforceでリアルタイム・チェックして、Managerからなるべく全件称賛した上で、Chat上で拡散を行う

以上が、この約1.5年で進めてきた「モチベーティング・システムの構築」の内容となります。

次回 第5回は「次世代The Modelの構築」となりますので、改めてご興味ある方は「いいね」「フォロー」をお願いいたします。

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今後の予定

<第一回>
プロローグ

<第2回>
■組織立上
ハイブリッドワークに順応したインサイド・セールス組織の立上げ
フィールド・セールス組織の再構築・教育

<第3回>
■組織立上
アライアンス組織の立上げと新組織の構想
セールス・エンジニアリング組織の立上げ・New KPI設定


<第4回>
■制度改正
モチベーティング・システムの構築(インセンティブ制度の立上げとその他 施策)

<第5回>
次世代 The Modelの構築

<第6回>
苦労したポイント達と残課題
今後の展望

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