喜多川泰さんの講演に参加して②

お誘いをいただいて、再び喜多川さんの講演に行ってきました。
今回は保険営業の方向けという設えで、私は勿論営業マンではありませんが初めて参加した時とはまた違った切り口で、改めて学びになる内容でした。


講演テーマ『幸せを感じる力を磨こう』

学ぶことの意味

元々塾の講師ということもあり、学校での講演が多いです。
高校生が講演後に感想を書いてくれ、読んでいるととても勉強になります。
何で心が動くのか?将来開ける、楽ができる、選択肢が増える、といった自分自身の利を説いても心は動きません。
勉強しようがしまいが、人生は楽にはならないからです。

勉強をしないで将来困るのは自分ではなく、自分の周りにいて、深く付き合う人たちです。
好きじゃないことに取り組むにはモチベーションが必要とよく言われます。
なのでモチベーションを上げるためにエサ(成果)をぶら下げるわけです。
でも成果では思うようにモティベーションが上がりません。
成果が世の中を動かしている訳ではないからです。

世の中を動かしているのは努力です。
例えば、受験勉強をするときに扉をちょっと開けておくんです。
廊下を通る両親は「やってるね」っと思い嬉しくなります。
両親は『あいつのためにも仕事頑張るか!』と感じます。
これは努力が人を動かした一例です。

勉強とは元々、世の中のためといった美しい考えのもとで始まりました。
学ぶ内容として「やり方」と「あり方」があります。
やり方はあり方の土台がないと上手くいかず、時代とともに変えていかないといけませんが、あり方は時代が変わろうとも不変なものです。

とにかく動く

子どもたちは失敗を恐れています。
望んでいる成果が手に入らないことを失敗と思っています。
だから失敗の可能性があると動けなくなり、取捨選択することにより行動力を失います。
最小限の努力で最大限の成果が出ることがいいことと刷り込まれていて、そんなことにしか動けなくなっています。

やる気にならないのは夢や目標がないからでしょうか?
アスリートのように、夢や目標をできるだけリアルにイメージすることでやる気や結果を出せる人もいます。
しかし学生の大半はこれでは動けません。
かと言って「いいからやれ!」なんて言ったら今の時代パワハラです。
行動するから気持ちがついてくるのに。
だから脳科学を研究して頭からアプローチするという回りくどいことをしているわけです。
大事なのは夢や目標があることではありません。
夢や目標がなくても行動できればいいんです。

心の作られ方

生まれた時から壁に囲まれて今の今まで何も見ることができずに育ってきたとしたら、今の自分には絶対になっていません。
おそらく自分ということすら認識できません。
今の自分はこれまで出会ったすべてでできています。

脳は真っ暗な箱の中にずっと入っています。
目や耳が見たこと聞いたことを脳に届けて、脳は世界を判断しています。
見るものがチャンスに満ちているという情報ばかりの世界
見るものが私なんてなんにもできないという情報ばかりの世界
まったく違う判断をする脳になります。
つまり、始まりは頭ではなく行動です。
体から動くことで夢や目標も芽生えます。
とにかくやれと言えなくなったから、自分がそう行動するしかありません。
とにかくやれる人にとってはチャンスの時代です。

今の自分は今まで出会ったすべてで作られていき、未来の自分はこれから出会うすべてで作られていきます。
世の中の常識で取捨選択しても幸せには結びつきません。
人にアドバイスするなら、失敗体験の方がはるかに重要です。
乗り越えるために振り絞った勇気の話など。
成果はもちろん世の中の発展に寄与しますが、失敗体験も人のためになるので、行動することで無駄なものは何もありません。

夢や目標でやる気になって、当初欲しいと思っていたものを手に入れたとして無限の可能性があると思えるでしょうか?
未知性があるから無限の可能性があり、行動しないと未知なることは何も起きません。
どうなるのか分からないけどやってみるんです。
見るもの聞くものを変えると未来が変わります。

世界は繋がっている

私と世界に境界線はありません。
文系だからと数学を捨てる、古典や英語なんて勉強してもしょうがない、こういう取捨選択の度に境界線を作っています。
無駄なことなんてないから、なんでもいいから勉強しろ!ということです。
私はすべてと繋がっているから、自分が動くと世界が動く。
難しそうに思われるが、子供たちは本能としてそうありたいと思い、そういう話で心が動いています。
100年後ここにいる人は誰も存在しませんが、記憶に残りたいという本能があります。
「誰かの良い記憶でありたい」人間はこんな本能を持っています。

そのためには、気前のいい人になることです。
気前がいいとは、お金をかけなくても動けば解決することに動く人です。
これをケチっていると誰かの良い記憶には残りません。

物を大事にするとは使い倒すことです。
命も同じことで、大切にするとは使い切ることです。


何のために勉強するのか

勉強したら大人になってラクできるなら、世界一勤勉と言われる日本人は世界で一番ラクをしてるはずだし、ハッピーなはずですよね。
現実はと言えば、治安も良く飢え死にもほぼあり得ない社会ですが、給料は上がらず努力しても報われないという閉塞感が漂っています。
学歴があれば安泰なら、私は今頃何の不安もなく悠々自適の生活をしているはずです。
決してそんな社会ではないことを子供はよく見ているから、将来のためと言われて勉強できないのも当然かと気付かされます。

「未来の自分はこれから出会うすべてで作られていく」
これは常に心に留めておきたい言葉です。
例えば私の場合、酒飲みながらだらだらゲームしたいという欲求に駆られることがあります。
そんな時「でもまだ読んでない本があるな…未来の自分にとってどっちがいいかな」と一声自分にかけるだけで、ゲームから読書へと行動を変えることができます。
同時に「ゲームはストレス発散になるけど、読書はストレスの元を断ち切れる」と言い聞かせることも効果的です。

行動が全て

「夢や目標があるから動くのではなく、動くから頭が付いてくる」というのは目から鱗な発想でした。
自分も子供の頃に明確な夢などなかったくせに、子供達にはつい「夢や目標はある?」とか聞いてしまいます。
目標はなくてもいいから、子供のうちは行動できる環境や選択肢を与えることが大事だと改めて思いました。
自分たち大人も、良いと思った行動とにかくやってみるのが成功の秘訣で、子供にとっての背中にもなるでしょう。

「世のため人のため」の原理

「私と世界に境界線はありません」
これは空海の教えの記事で書いた「人と全ては繋がっている」と同じことです。
この真理に近づくほど世のため人のための力が湧いてきて、そのように行動することで自分の幸せへと繋がります。
喜多川さんはその行動を「気前の良さ」と表現されました。
「気前よく」は物事の判断をする時の基準として明確で普段から心がけたいですね。


喜多川さんの講演は、物事の真理を捉えつつ分かりやすく、バリエーションも豊富で前回と全く違う気付きを得られて、これまで色々聴いた講演の中でも最高峰です。
何回でも聴きたいですね。

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