周浩暉『死亡通知書』連作・書誌

2020年8月に第一部の日本語訳が出版された周浩暉『死亡通知書』連作の、現時点で判明している限りの書誌リスト。特記がない場合は中国大陸での出版。
実物を手にしていないものも多く、曖昧な部分も残っている。誤りや見落としがあった場合はぜひ指摘をお願いしたい。

第一部
・『死刑通知单』(作者ブログ *1 にて連載、2007年5月? *2 ~2008年4月)*3
・『死刑通知單 第一部之1』(台湾:菁品文化、2008年9月)
・『死刑通知單 第一部之2』(台湾:菁品文化、2008年9月)*4
・『死亡通知单』(国际文化出版公司、2009年7月)*5
・『死亡通知單 卷一:復仇女神』(香港:花千樹出版、2012年3月)
・『死亡通知单:暗黑者』(北京时代华文书局、2014年6月)*6
・『暗黑者』(海南出版社、2018年3月)*7
・『Death Notice』(Zac Haluza訳、アメリカ:Doubleday、2018年6月)
・『Death Notice』(Zac Haluza訳、イギリス:Head of Zeus *8、2018年6月)*9
・『Ölüm İlanı』(Yosun Erdemli訳、トルコ:Kitap、2019年3月)
・『Avis de Décès』(Hubert Tezenas訳、フランス:Sonatine、2019年6月)*10
・『死亡通知書 暗黒者』(稲村文吾訳、日本:早川書房、2020年8月)

第二部 *11
・『死刑通知单(二)宿命』(作者ブログにて連載、2008年8月~2009年10月)
・『死亡通知单2:宿命(上)』(辽宁教育出版社、2010年4月)
・『死亡通知单2:宿命(下)』(辽宁教育出版社、2010年6月)*12
・『死亡通知單 卷二:宿命(上)』(香港:花千樹出版、2012年7月)
・『死亡通知單 卷三:宿命(下)』(香港:花千樹出版、2012年9月)
・『死亡通知单2:宿命』(北京时代华文书局、2014年9月)
・『暗黑者2:宿命』(海南出版社、2018年3月)
・『Fate: Death Notice II』(イギリス:Head of Zeus、2020年刊行予定)

第三部
・『死刑通知单之离别曲』(作者ブログにて連載、2010年1月~2011年1月、2012年2月~2012年4月 *13)
・『死亡通知单3:离别曲(上)』(辽宁教育出版社、2011年8月)
・『死亡通知单3:离别曲(大结局)』(辽宁教育出版社、2011年8月)*14
・『死亡通知單 卷四:離別曲(上)』(香港:花千樹出版、2015年2月)
・『死亡通知單 卷五:離別曲(下)』(香港:花千樹出版、2015年5月)
・『暗黑者:离别曲』(中国城市出版社、2016年1月)*15
・『暗黑者3:离别曲』(海南出版社、2018年3月)

外伝
・『原罪之惩罚』(雑誌『最推理』第118期(2014年第9期)~第124期(2015年第3期)に連載)*16
・『暗黑者外传:惩罚』(中国城市出版社、2015年11月)*17
・『暗黑者外传:惩罚』(海南出版社、2018年3月)


*1 http://blog.sina.com.cn/zhouhaohui
*2 元ブログ記事が削除されており正確な連載開始時期が確認できないが、浙江在线の記事(https://zjnews.zjol.com.cn/zjnews/hznews/201811/t20181117_8767041.shtml)に従った。
*3 羅飛シリーズの長篇4作目にあたるので「罗飞四」と銘打たれている。
*4 おそらくこれが初出版。版元の菁品文化は同時期に羅飛シリーズの先行長篇3作を刊行しており、本作は「羅飛系列懸疑推理小說之四」と銘打たれている。
*5 おそらく中国大陸での初出版。版元にとって周浩暉作品の出版は初めてとなるためか、「刑警罗飞系列第一季」とある。
*6 過去の版から加筆修正が加わっている。本作をネット配信ドラマ化した『暗黑者』が同時期に放映開始したのに合わせての再刊と思われる。
*7 この2018年のシリーズ再刊は、2014~2016年の再刊と同じく读客文化が編集を担当しており、タイトルが統一されている以外造本もほぼ同じだが、2014~2016年版の4冊の表紙で「Killing Notice」と英題が併記されていたのが消えている。ちなみにドラマ版の英題は『Death Notify: The Darker』で、公開が予告されている映画版も『Death Notify』とされている。
*8 劉慈欣『三体』イギリス版と同じ版元。
*9 全体的に文章のカットがあり、また舞台と主人公の名前が変更されている。ちなみに英版と米版どちらにもハードカバー版とペーパーバック版を確認している。
*10 底本については確認していないが、地名と人名の変更は英語版から引きつがれている。
*11 有声小说(オーディオブック)版では前半が『死亡通知单之救赎』、後半が『死亡通知单之宿命』と題されている。
*12 上下巻ともに「刑警罗飞系列第二季」とある。
*13 「結末まで書き終えた」とのエントリを境に更新が途切れ、書籍出版後の2012年にまた一部が連載された。
*14 上下巻ともに「刑警罗飞系列终结篇」とある。
*15 2014年に北京时代华文书局から再刊された第一部・第二部とは出版社や題名が違うが、同じ读客文化の編集で装幀も統一されており、前年刊の外伝とともに同一プロジェクトとみなせる。中国では図書の出版に制限があるため、民間の会社がいわば編集プロダクションとして企画・編集を担い、実際の発行を行う国営企業と分業することが少なくなく、一つづきのプロジェクトでも発行の出版社が変わる例はみられる(シリーズ初刊時の国际文化出版公司→辽宁教育出版社も一例)。
*16 『最推理』誌第82期(2012年第5期B)~第90期(2012年第9期A)に『承诺』の題名で連載され、単行本化された(长江出版社、2015)ノンシリーズ作品『原罪之承诺』とは「原罪」連作として対になっていた。
*17 『死亡通知单外传:惩罚』が元題名との記述がネット上にあるが、この題名での発表は確認できない。『死亡通知单』→『暗黑者』のシリーズ名変更からの類推か。