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美しい「ボロス・サイクリング」のこと

この文書は、Magic: The Gatheringの入門用デッキとして紹介されることの多いボロス・サイクリングについてMTGアリーナ初心者が書いたものになります。

MTGアリーナを始めて1か月くらい、2シーズン目にミシックに初めて到達しました(2020年9月シーズン)。使用したデッキはボロス・サイクリングです。

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私はTCGが上手いわけではありません。

ハースストーン を遊んでいたこともあるのですが、レジェンドは遥か遠く、遂に到達できませんでした。

このデッキを使い始めた頃、初手に来る土地が少なすぎると感じて土地を24枚に増やしました。実際に使ってみて、土地を引くとサイクリングが止まってしまうことに気付きました。

その程度の実力です。

したがって、この文書にさしたる価値はありません。

けれども、せっかくミシックに到達したわけですから、それを記念して、このデッキを回す中で失敗しながら得た知見をここに残します。

前述した「土地24枚」の失敗から学んだことがもう一つあります。それは、「このデッキを構成する全てのカードが一つの目的のために編まれて、美しいリストになっている」ということです。

その目的とは、対戦相手のライフをゼロにしてゲームを終わらせるためのカード《天頂の閃光》をドローすることです。

その目的のために、このデッキは大量のカードをサイクリングによりドローします。しかも、カードをサイクリングすることが自分のクリーチャーを強化し、《天頂の閃光》のダメージを上げていきます。

そして、この目的のために奉仕するカードのみがデッキを構成しており、不要なカードは(土地を除けば)まったく含まれません。

特徴のある動きをするので好き嫌いの分かれるデッキだと思います。対戦相手が不快に感じることもあるでしょう。その点も、この文書を残そうと思った理由の一つです。

とは言え、言いたいことは既に書いてしまいました。以下は各論となっていますので、デッキに興味を持たれた方はお読みいただけると幸甚です。MTGアリーナへのインポート用のリストを最後に載せておきます。

デッキの特徴

*神話レアなし、レア5枚(相棒1枚と両面土地4枚)。レアの5枚も必須ではないので、安価でそこそこ強い。

* アグロらしく攻めて、攻めきれなければ粘って捲る、という戦いができる。

* ゲームプラン(目的)を達成する手段がデッキリストできれいに表現されている。

ゲームプラン

序盤は《繁栄の狐》、《雄々しい救出者》で相手のライフを削り、中盤以降は耐えながらサイクリングでライブラリーを掘って《天頂の閃光》を引き込み、フィニッシュ。

マリガン / キープ基準

* 《平地》1枚以上を含む土地2枚
* 《繁栄の狐》、《雄々しい救出者》いずれか1枚
上記があればキープする。

ただし、マリガンを3回するくらいなら、《山》と《ドラニスの刺突者》でキープしたい。

個別のカードについて

このデッキは、カードをサイクリングすることで
*自分のクリーチャーの能力を誘発し、
*必要なカードをドローして、
*《天頂の閃光》のダメージを上げる。

これによりゲームプランを進めるように、リストが作られている。この仕組みに無関係なカードは(土地を除いては)デッキに含まれていない。

したがって、(土地を除く)どのカードであっても、そのカードをサイクリングするバリューと、通常どおり唱えるバリューとを天秤にかける必要がある。

《天頂の閃光》
クリーチャーの除去として
《血の希求》で除去できない場合や、《雄々しい救出者》のトークンによるブロックでは耐えられない場合(飛行などの回避持ち、トランプル持ち)等には《天頂の閃光》を除去として使う。

フィニッシュに使う場合
《繁栄の狐》、《夢の巣のルールス》などの処理を迫るクリーチャーを出して、手札とマナを使わせておければ、なお良い。

戦場に出ている自分のクリーチャーで攻撃し、相手にブロックしてもらって殺して墓地に送れば、墓地が肥えてダメージが上がる。

《夢の巣のルールス》
あまり使わない。なくても良い。マリガン時こちらのデッキ推測の手掛かりとなってしまうため、もしかするとないほうが良いのかもしれない。墓地のクリーチャーを戦場に出すと《天頂の閃光》のダメージが下がってしまうことにも注意したい。使用する場面は次のとおり。

* 有用なクリーチャーがあらかた除去されてしまい、墓地から唱えたいとき。

* 手札にサイクリング用カードがないとき。有用なクリーチャーであってもサイクリングして墓地に落とし、墓地から戦場に出す。

* 《天頂の閃光》を使う前に出して、相手の手札とマナの消費を誘う。

《繁栄の狐》
1ターン目に《平地》と《繁栄の狐》を置くのがベストの動き。強いカードだが、《繁栄の狐》をサイクリングして《天頂の閃光》を引きに行くべき場面もある。

《雄々しい救出者》
序盤はトークンで殴る。中盤以降はブロック用のトークンを切らさないように生成しながら耐える場面が多い。パワー3なので《血の希求》でも使用する。サイクリングのコストが2であるため、サイクリングするよりも戦場に出すべき場面が多い。

トークンを生成する要件(サイクリングのタイミング)に注意。

各ターン内で初めてあなたが他のカードをサイクリングするたび、白の1/1の人間・兵士・クリーチャー・トークンを1体生成する。

* 「各ターン内で」
自分のターンに1回、相手のターンに1回、トークンを生成できる。トークン生成を最大化する場合は、1マナ残して自分のターンを終えて、相手のターンの戦闘前にサイクリングする。

* 「初めて」
例えば、サイクリングしてドローした《雄々しい救出者》を戦場に出し、その後またサイクリングしても、トークンは生成されない。

《ドラニスの刺突者》
相手のクリーチャーが壁になって攻撃が通らなくなることの多い中盤以降には、《雄々しい救出者》のトークンでブロックしつつ、《ドラニスの刺突者》で削っていく。2体並べるとかなり削れる。

《血の希求》
《繁栄の狐》、《雄々しい救出者》を使って除去。必要な時に《血の希求》を使えるよう、1ターン目に《平地》を置いた場合は、2ターン目に《山》を置く。また、《血の希求》を使う予定がある時は、自動支払いでうっかり赤マナを消費しないように注意。

土地
土地を引くとサイクリングが止まってしまうので、デッキ内の土地はなるべく減らしたい。《平地》と《山》の比率は、偏らせると事故の元になるので、《平地》の枚数は《山》+0〜+1くらいか。

赤白の両面土地(《針縁の小道》/《柱縁の小道》)4枚がデッキにあればマリガンが減る。《夢の巣のルールス》よりも優先して、入れておきたい。土地をたくさん置くデッキではないので、タップインの土地は入れない方が良いと考える。

《ドラニスの癒し手》
他にクリーチャーがないときに置く。少しずつ削ってくる相手に耐える際に置く。あまり使わない。大抵はサイクリング用カードになる。

《踏み穴のクレーター》
エンチャントとしての使用経験なし。サイクリング用カード。

青と黒のカード
完全にサイクリング用

採用しなかったゼンディカーのカードとその理由

下記のゼンディカーのカードを採用しているリストを見たが、不採用とした。

* マグマの媒介者
* セジーリの防護 / セジーリの氷河
* 歌狂いの裏切り / 歌狂いの遺跡

採用しなかった理由は次のうちの一つまたは複数
- サイクリングがついていない
- サイクリングして《天頂の閃光》につなげるよりも強い動きなのか疑問
- タップインの土地である
- マナに余裕があるデッキではない
など

デッキの弱点

*墓地対策
*大量ドロー対策

墓地対策はとり易いので、BO3向きではないと思う。緑のデッキには《漁る軟泥》が入っていることが多いので、これもつらい。

デッキコード(MTGアリーナ用)

スタンダード、BO1、『ゼンディカーの夜明け』に対応

相棒
1 夢の巣のルールス (IKO) 226

デッキ
4 願い与えの加護 (IKO) 43
4 ドラニスの癒し手 (IKO) 10
4 ドラニスの刺突者 (IKO) 113
4 繁栄の狐 (IKO) 13
4 踏み穴のクレーター (IKO) 118
4 霜帳の奇襲 (IKO) 52
4 血の希求 (IKO) 122
7 山 (ZNR) 275
4 雄々しい救出者 (IKO) 36
4 天頂の閃光 (IKO) 217
7 平地 (ZNR) 266
4 驚くべき発育 (IKO) 68
2 記憶漏出 (IKO) 95
4 針縁の小道 (ZNR) 263

サイドボード
1 夢の巣のルールス (IKO) 226

おわりに

以上、お読みいただき、ありがとうございました。これからもたくさんの素晴らしいリストに出会えますように!

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