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電子書籍で本が読めない|BRUTUS-それでも本を読む理由-

久しぶりに雑誌を買った。

いろいろな人の「本を読む理由」が見られるから、「わかる」と共感したり「なるほど」と勉強になったりして、本っていいなとしみじみする。

いちばん共感したのが、ブックディレクターの幅允孝さんという方の話。

30秒でどれだけ面白がらせるかが勝負のエンターテインメントが増え、アルゴリズムで選ばれたネット番組が、空いた時間をどんどん埋めていく。
楽しくはあるんですよ。でも気づくと時間の奪い合いに吞み込まれそうになる。
どんなことにも素早く反応すべき、みたいに思わされている感覚が、ぬぐえないままなんです。


「そう!そうなんです!」と心のなかで叫んだ。

ここ数年でずっと感じてた感覚が言語化されていて、すっきりした。

TwitterやInstagramを見てると5分10分なんて秒で経過する。

特にTwitterは、もやっとするツイートが流れてきたり、ただ眺めてるだけで気分が悪くなったり。

他人との境界線がぺらっぺらな私には、SNSはただ疲弊するだけのツールに感じる。

その点、本は本だけに集中できて物語にどっぷり入り込める。

少し前にkindleで小説を読んでみたことがある。

ちゃんと文章を読んでいるのに読んだそばから頭から抜けていくというか、読みたいのに頭に入ってこなくて、自分は本が読めなくなっているのかと不安になった。

この感覚を、前述の幅さんが講師を務めている大学の学生さんが
「デジタルで本を読むと、文章が滑っていく」
と話していたそうで、私が感じたのは「文章が滑っていく」感覚だったらしい。


電子書籍を否定しているわけでも優劣をつけたいわけでもなく、
どちらも体験してみて、自己啓発系なら電子書籍でも読めるけど、小説は紙の質感を指で感じながら読むのが好きなんだと実感したって話です。


最後まで読んでくださってありがとうございます!