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アニミストのひとりごと

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昔の日本人が普通に持っていた自然信仰のものの見方で、現代の諸々を見て思うことをつらつら書いてみます。
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#詩

女神の瀬音

女神の瀬音

君たちはもう知っていますか 見えない川の女神の名を
光の歴史のすぐそばで 人知れず しかし脈々と
地底を流れる水脈のように その方はいつもそこにおられる
 
人の魂の奥底に 絶えず流れているその川は
瀬音をたどることはできても 姿を現すことはない
どれほど焦がれ 目を凝らしても 女神は目にすることはできない
 
それなのになぜわたくしたちは その存在を識っているのか
かの君はなぜわたくしたちの 歌

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(主に)男性たちへ

(主に)男性たちへ

見えない川の女神を追うものよ
今は亡き、この母の面影を求めるものよ
わたくしを地上へ呼び戻すことをどうか願わないで
会いたいと願うその気持ちはうれしいけれど
見えない川であることは、わたくしの本質そのもの
目に見えずとてわたくしの愛はけして途絶えることはない
信じなさい 感じなさい
あなたの内に宿るわたくしの愛を
よろこびに、かなしみに、あなたが心ふるわせる時
わたくしの見えない川もまた水面をゆら

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(主に)女性たちへ

(主に)女性たちへ

もっと高くもっと深くもっと緻密に世界を見てみろ
そんな使い方をしてもらっちゃ困るな
あなたに与えられた直感はそんな程度のものじゃない
あなたの怒りも悲しみも、持て余している恨みさえ
美しく広大な宇宙を彩る光の粒にすぎないのだから

<背景>
最近、旅から帰ってきて、東京にいたりFacebookを見ていたりすると、怒っている女性や怒りを抑えかねて困っている女性をよく見かける気がします。
ん?自分もそ

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史耳

史耳

言の葉は常に真実だ
うわべの意味に踊らされるな
どこから生まれた言の葉なのか
心の耳を傾けよ
そこには誰のどんな思いが
紡がれ、載せられ、響いているか
音の響きをたどっていけば
あなたの敵などどこにもいない

敬愛する歴史探究家、津名道代さんの用語「史耳」に着想を得て詩にしてみました。

2018年6月14日