へこたれ兵長

そろそろ29歳になったおじさんの独り言

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最近の記事

冬の夜明け

あと5分だけ。 夜明けはまだ先。 あと5分だけを何度も繰り返す。 いつもの電車に僕はいない。 布団が僕を離してくれない。 優しく温かく僕に纏わりついてくる。 布団だけだよそんなに僕を好いてくれるの。 冬の夜はとても冷たくて、とても暗い。 そして長い。 先日、社会人の駆け出しを共にした同僚たちと忘年会の機会があった。 実に5年ぶりの顔合わせ。 やっぱり少し歳とったかな。 それでも変わらない同僚の雰囲気。 仕事を辞めて以来会っていない同僚。 研修を終えて以来あっていな

    • 悩みごと

      最近人の悩みごとを聞くことが増えた。 仕事のことから家庭のこと。 友人関係やコンプレックスまで。 おいおい、モテ期か? とにかく頷きながら黙って話を聞く。 聞いてる間、言葉はたくさん浮かぶが黙って聞く。 彼らは悩みと戦ってるんだ。 邪魔するわけにはいかない。 悩みごとを話す彼らの姿は、本当の彼らの一部分。 なんとも格好つかないとっちらかった彼ら。 言葉や考えに垣間見える芯の部分。 人の悩みを聞くのはどちらかと言うと好きだ。 さて、彼らの頭には靄がかかってる。 その靄を

      • 灰が落ちる前に

        あっつ...。 パーカーの袖口にまんまると空いた穴。 これでもう何回目だ。 不器用な手で穴を縫う。 不器用なりに縫った袖口にもう穴はない。 綺麗さっぱり。 とはいかないがそれなりに上手に隠す。 穴があったことなんて忘れてた。 気付けばそこには同じ穴。 お前いつの間に。 同じ場所。同じ穴。 何度も何度も縫っては埋める。 一向に上手にはならない裁縫。 ある日見つけた大きな穴。 はじめは見て見ぬふりしてた。 ほっときゃいつか埋まるだろうって。 最近朝が苦しくない。 決ま

        • 格好つけ

          格好つけずにいこう。 おはよう。こんにちは。こんばんは。 へこたれ兵長です。 昨晩、雷すごくなかったですか? ほんの一瞬、朝になったのかって思うくらい。 実は雷ちょっと怖いんです。 雷が怖くなったのは、僕が小学生の頃。 友達とゲームキューブで遊んでたんです。 そしたら急な轟音とともに、画面が真っ暗に。 小学生の僕には抱えきれない感情が暴れ果てて。 友達の家に雷が落ちたんですね。 幸い大事故にならなかったけど。 驚愕と恐怖が植え付けられました。 雷が怖い男の子ってのは

          ため息

          ため息なんてついてたら幸せ逃げてっちゃいますよ。 逃げる幸せもないですよ。 仕事の合間のワンシーン。 こんな他愛のない会話ですら小さな幸せなんだろう。 最近ため息の数が増えた。 なにやってもうまくかねえ。 うざったいほど耳にする流行りの歌詞がぼくに刺さる。 なにか大きな失敗をしたわけじゃない。 些細な失敗とか小さな不安が募って 体の中でいっぱいいっぱいになる。 こんなに失敗してるのは世の中でぼくだけ。 ため息をつくたびこんなことを思う。 そんなはずがないことくらい

          わがまま

          2015年10月23日 大好きだった祖母が旅立った。 突然の訃報だった。 あの日のことを6年経った今でも鮮明に覚えている。 夏は暮れ肌寒い空気が流れ始めたあの日。 僕は友人とふたり、東京へ足を向けていた。 軽い財布をポッケにしまい無賃乗車。 いわゆるヒッチハイクってやつ。 「東京方面へ」 ダンボールにでかでかと書かれた下手くそな文字を掲げて道路の端に立つふたり。 車は止まらず代わりばんこでたばこを吸う。 秋に吸うたばこはどうしたって旨い。 いつまで経っても来ない待ち人

          いじわる

          文字はとてもおもしろい。 よるごはんはうどんでした。 これはどう読んでも「よるごはんはうどんでした」だ。 「よ」はどう読んでも「よ」にしかならない。 「う」はどう読んでも「い」にはならない。 いつから文字をその文字として、 その発音として読むようになったのか。 深く考えることもなく文字を言葉にすることができるようになったのか。 ひらがなの書き順を習う頃にはもう発音が出来ていたような気もする。 言葉はとてもおもしろい。 「まじで神」と「本当にすごい」 おそらく意味は同じ

          いちばん

          特撮ヒーローは青が好き。 赤は目立ちすぎて好きじゃない。 「パパ。メガブルーの人形買って。」 「レッドじゃなくていいの?1番だよ?」 「ううん。ブルーがいい。2番がいい。」 あの頃からずっと変わらない。 2番が好き。 いや、2番でいいと思ってた。 赤はいっつもピンチだ。 どんなときも1番ピンチなのは赤。 だから1番にはなりたくない。 いや、僕は1番にはなれない。 小さな頃からだいたいのことはできた。 スポーツだって ゲームだって 勉強だって 恋愛だって ど

          ひとり

          ブー...ブー... 「...もしもし...」 「チェックアウトのお時間が過ぎておりますので...」 あぁ...もうそんな時間か... 「もうすぐ出るんで...すいません...」 外に目をやれば今日も一面曇り空。 横浜の街にびっしり蓋をして太陽は影も出さない。 こんなに寝たのはいつぶりやろうか。 ここ何日も睡眠はおざなり。 寝たら1日が終わる。 それがただただ嫌やった。 相対性理論ってのがある。 難しいことは分からない。 楽しい時間は一瞬で終わってしまう。

          僕には3つ下の弟がいる。 身長は高くてスポーツ万能。おまけに歌が上手い。 顔はちょっと体育会系よりの童顔。 すごくマメで貯金も結構してるらしい。 すごくいい男だ。 だけど絶対に結婚はしないらしい。 絶対にだ。 人が嫌いらしい。 人と話をするのも嫌い。 大人数の場所にいるのも嫌い。 勉強が苦手らしい。 掛け算と割り算が苦手。 英語もまったく聞こえないし喋れない。 こんな弟の話をしましょう。 僕の弟はアスペルガー症候群だ。 2歳の頃に発覚した。 診断結果が出たとき、母

          27歳

          2021年7月25日 28回目の誕生日 僕は27歳になりました。 あなたの思う27歳ってどんなですか。 あなたの27歳はどんな1年でしたか。 貯金が300万あって 営業リーダーで 1歳の子どもがいて 趣味の写真に明け暮れて 20歳の僕が思う27歳の僕はこんな感じ。 貯金はあんまりない 転職して1年 子どもは見当たらないし嫁も見当たらない 趣味と呼べるのはカラオケくらい 27歳の僕が見た27歳の僕はこんな感じ。 おいおいこりゃ別人じゃないか。 焼肉食べに行くつもりだ

          はじめての

          画像探す時「はじめて」って検索したの。 そしたら検索候補に「ブラ」とか「キス」とか「化粧」とかが並んでた。 女の子が悩んで検索してるんだろうな。 知らないこと知れた気分でちょっと口角上がった。 みんなははじめてのことって好き? 僕はちょっと嫌い。 はじめて話す人 はじめて行く店 はじめて見る絵 はじめて聴く音 なんだかちょっと緊張しちゃう。 失敗したらどうしよって考えちゃう。 いつもの方が落ち着くなって思っちゃう。 周りにどう思われるか。気にしちゃう。 「へこたれ

          はじめての