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東京都美術館、ウスター美術館展に行った話。
東京都美術館で催されている『ウスター美術館展』に行ってきた。
「印象派 モネからアメリカへ」という題の通り、モネはもちろん印象派の画家の名画が展示されていた。
ざっくりと以下を紹介していきます。
僕は特に美術を学んだこともなければ、きっちりとしたレクチャーを受けたこともない。この事を踏まえへ素人の感想を思っていただければ幸いです。
個人的な見どころを紹介
印象に残った作品
総括的な感想
まず個人的な見どころを紹介したい。
やはり目玉はクロード・モネの『睡蓮』であろう。ウスター美術館がはじめて画廊から購入したモネの『睡蓮』だ。購入にあたっての画廊とのやり取りの手紙も展示されていて、その絵に付随するストーリーも知ることができた。
入場して【伝統への挑戦】と題して、印象以前の作品を紹介していた。特に好きで追っている、バルビゾン派のジャン・バティスト=カミーユ・コローの作品が展示されていた。
コローの『幸福の谷』は頭に残っている。コローの絵を見ていつも思うのは、自然の風景の中にポツンと差し色の赤色が入れられている。必ずではないがいくつかの作品に見られる特徴で、それを見つけると「あ、コローの絵ですね」とわかる。
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その次のセクションは【パリの印象派の画家たち】だった。
いよいよ印象派の画家達の登場である、ブーダン、モネ、セザンヌ、ピサロ、ルノアール、モリゾ、そして、この章で一番印象に残ったのはチャイルド・ハッサムの『花摘み、フランス式庭園にて』であろうか。
実は過去にチャイルド・ハッサムの作品は見たことはあったのだが、とても印象に残っているわけでなかった。しかし、今回、チャイルド・ハッサムはとても印象に残っている。明るい色使いと、陽の光の表現、幸せな瞬間を切り取ったワンシーンが良かった。この絵画を見れただけでも収穫であった。
この作品はとても気に入ったのでキャンバスアートも買ってしまった。
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3つ目の章、【交際的な広がり】である。
ここでは世界中に広がった印象派の作品が展示されていた。
特に印象に残っていたのは、日本人の西洋画科の作品である。まさかここで大好きな黒田清輝の作品が見れると思っていなかったので、嬉しい誤算だった。黒田はもちろん、他の日本人画家も印象派に学んだ作風だ。あと覚えているのは斎藤豊作の『風景』は、後期印象派の点描によるモザイク画であった、ひと目でマルタンやシニャックを意識していることがわかる。太田喜二郎の『サンピエール寺院』も明らかにモネを意識した画風の絵だった。
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4つ目の章は【アメリカの印象派】であった。さて、ここからが本展覧会の本領発揮といったセクションである。
ジョセフ・H・グリーンウッド、チャイルド・ハッサム、エドマンド・チャールズ・ターベル等、アメリカの地で活躍した印象派の影響を強く受けた画家たちの作品だ。
まず何と言ってもチャイルド・ハッサムのコーナーは大変素晴らしかった。モネの『睡蓮』のようにテーマを決めて同じ主題を描いた、アップルドア島の風景。まるで近代的なヨーロッパの街並みを思わせるボストンの街の一角、『コロンバス大通り、雨の日』。そして、朝のニューヨークの街並みがカーテン越しにでも伝わってくる『朝食室、冬の朝、ニューヨック』、マンハッタンの摩天楼が透けて見えるのが想像を掻き立てる。
この作品の複製画がショップにあったらほしいな、と思っていたらポストカードさえなかった。そして、よく企画展の出口にいる複製画屋さんのところにもなかったところを見ると、ウスター美術館から複製の許可が出なかったのだろうか。図録を買って正解だった。
このコーナーにも『朝食室、冬の朝、ニューヨーク』をウスター美術館が購入するにあたり、やり取りをした手紙が展示されていた。通り掛かった見ず知らずの観覧者がそれを“好き好きお手紙”と表現していて、的を射ていると思った。
確かに、「この絵がほしい、他のも一緒に2枚買おう!税金はちょっと待って。とにかく請求書頂戴!美術館と相談するわ。買っていいって!作品送って」とまるでオタクのような淡々とした熱量を感じた。たしかにそれは好き好きお手紙だと思う。
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最終章は【まだ見ぬ景色を求めて】とあった。
アメリカ本土の風景を描いた作品が多かった。バルビゾン派の影響が濃く見られるドワイト・ウィリアム・トライオン、ジョージ・イネス、ブルース・クレイン、アレクサンダー・ヘルウィグ・ワイアント等の画家の作品が展示されていた。ここでハドソン・リヴァー派という言葉を知る。
なるほど、バルビゾン村の付近にいたからバルビゾン派、ハドソン川の近くにいたからハドソン・リヴァー派なのかなと考えた。
ここで印象に残った作品はフランク・ウェストン・ベンソンの『ナタリー』だ。カントリーガールというようなカジュアル服装でハットを被った女性が、アメリカの雄大な自然を遠くに眺めている。ザ・アメリカという印象を受けた一枚だ。
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最後に展覧会と直接的な感想とは違うかもしれないが、本展覧会が写真撮影可能な作品がなかったことが非常に好意的に感じた。
人それぞれ考え方はあるかもしれないが、僕個人としては作品の写真撮影に関してはたとえ撮影可能であったとしても遠慮している。
なんか正面を陣取ってわざわざ取るのも場違いであるし、多くの人がそれをすれば混み合うことは必至だ。それと後でゆっくり見返すことも、まあしない。気に入ったらポストカードか図録を買って帰ることに決めている。
あと一番気になるのはシャッターを“パシャ”っと切る音だ。あの音は集中力が切れる気がしてなんか嫌だ。せっかく美術館に来てるんだからもっと局所的に注目してみたり、画集やポストカードでは伝わり切らない絵の具のこんもりとした質感をよく見たい。もちろんそれは写真でも伝わない、美術館ならではの要素だと思う。
写真撮ってSNSにアップするのがやりたいことのピークでしょ、と思ってしまう。まあ、個人の勝手ですが。
そういう事もあって、今回撮影可能な作品が一切なかったことは本展覧会を見て回るうえでの満足感が向上したことは言うまでもない。拙く、とても小さな声であるが感謝申し上げたい。
ウスター美術館展、大変良かったです。会期終了間際まで引っ張らずにもっと早く行っておくべきだった。それでもちゃんと忘れずに行けたことは褒めたい。
今回特に、チャイルド・ハッサム、上記では特に触れなかったが、ジョン・シンガー・サージェントの二人の画家を良い作品を知れたのは良かった。
あとはコローや黒田清輝など、定期的に見たくなる画家の作品も見れてよかった。
今のところベスト企画展2024の優勝筆頭候補である。
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キャサリン・チェイス・プラット
おまけ(帰り道)
帰りは、秋葉原方面へと歩き、山手線の高架下にあるRECOfamでレコードを漁り、欲しかったかぐや姫の『今日(today)』を見つけたこと。そして、最近気になって聞き始めたフュージョンギタリスト、ラリー・カールトンがビルボードに来るらしいので行きたくなった、というか行くぞ。
ラリーのレコードも探したけれども、すぐにて手が出せるものは見つけられなかった。
RECOfamと屋根続きの常陸野ネストビールで店舗限定のミカンセッションを飲んだ。美味しかった。
地元についてから荷物を置くついでに軽く自宅で食事をしてから近所のバーに行った。たまたま店舗のオーナーさんが見えていてカウンターに立っていたので好きなカクテルを作ってもらい堪能した。提案してもらったラスティネイルというウイスキーベースのカクテルの材料にスモーキーなシングルモルトも追加して飲む楽しみ方も教わった。この日は、ジョニーウォーカー12年とコアントローのスタンダードレシピの10mlほどラフロイグ10年を追加してくれた。これはいろいろな組み合わせを試してみたくなってしまった。
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以上、少々予算オーバーな週末であったが非常に満足感の高い時間を過ごせました。
ではまた。
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