12赤すけアドラー

アドラー心理学を実践。自閉症の子を褒め続けるとヤバイ。


発達障害の子供を育てるには根気がいります。
話を聞かない。注意力がない。お友達と上手に遊べない。同じ間違いを繰り返す。こだわりが強い。ネガティブ発言が多い。我らが長男の特徴です。

つまり、言い方は悪いかもしれませんが、親としては思い通りにならない事ばかりの毎日を過ごすことになります。
そのため、親は常にフルストレス状態です。
その結果、無意識の中で子供を支配し、恐怖によってしつけを成功させようとする、そんな経験をしたことがあるのは私だけではないでしょう。非常に反省すべき事であると理解しております。

そのような反省から、子育て方法を改善すべく試みようと思っているのがアドラー心理学です。

アドラー心理学では、

「褒めない」「叱らない」「教えない」と言います。
「叱らない」というのはわかります。叱られるとやる気を失いますし、委縮してしまいますよね。行動阻害要因の代表格です。

「教えない」も何となくわかります。自分で考えさせて、思考力向上を図るということですね。「気付き」は人の大事な感性の一つです。

では「褒めない」というのは一体どういう事なのか?

褒めるという事は、相手に対して自分が上という立場になり以下のフローが成立します。

<親の行動>
①行動を監視
②結果確認
③褒める(叱る)

<子供の行動>
①チャレンジ
②評価待ち
③喜ぶ(叱れば悲しむ)

つまりご褒美がなければ何かに貢献する意欲は湧かず、自己犠牲によって他者に貢献する幸せを知ることが出来なくなり、自由で幅広い成長を抑制することになる様です。

私はHR(人事領域)の仕事をしていますが、MBO評価(目標管理)はまさにその弊害にさらされ易いと考えています。
■目標=評価対象(賞与の査定に影響)=頑張る
■目標以外=評価対象外=頑張る必要なし
つまり、目標設定したいくつかの事柄以外の仕事は、達成する意味を見出せなくなる、当然の結果ですよね。

これは子供も同じ。
でも子供が何かをやり遂げても褒めないとすると、一体何て言ってあげればイイのだろう。困ってしまいますよね。

昔受けた研修で、先生が分かりやすい例えをしてくれました。それは、上司と接する時を想像して発言してみる、という事です。
上司をつかまえて、褒めてあげる(評価する)、面と向かってはナカナカしませんよね。(360度評価の意味とは違ってきます。)

「ありがとうございます。」
「助かります。」
「ためになりました。」
など、感謝を伝える場面が多いのではないでしょうか。
それも、何かしてもらったという部分的な話ではなく、全体を捕えて。

「幼稚園でお父さんの絵を描いたよー見てー。」
よくある子供とのやりとりです。

「おう、上手だ!」ではなく「嬉しい。ありがとう。」など感謝を伝える言葉で受け答えをできれば成功です。


そこで我が家。

長男が時々「○○できたよ。エライ?」と評価を求めてきます。アドラー心理学の研修後、妙にこのワードが気になってました。思えば私はいつも「あと10数える内に○○して。」「よーし、エライエライ。良くできた。」と言うのが常套句になってます。

このパターン化された流れによって長男は評価を求めるようになり、自立心を抑制している可能性があると思い、とりあえず長男を褒めないでみようと試してみました。

いつものように長男が「○○できたよ。エライ?」と評価を求めてきた時、私は何と返すものか一瞬沈黙の後、「フツー。」と言いました。すると長男は、「うわーん、なんだよ!」と軽く怒りの感情が見えました。突然すぎて「感謝のワード」に変換できず長男には悪い事をしましたが、いずれにせよ彼は褒めてもらうために頑張っていたんですね。かわいそうであり、また少し怖さも感じました。

特に長男は自閉症ということもあり、「こだわり」という特性があります。もし、今後も褒め続けた結果、褒めてもらう事に「こだわり」を持つようになってしまえば、年齢を重ねて誰も褒めてくれなくなった時に、精神が保てなくなるのではないか、そんな不安を覚えました。

長男は今5歳で、気付くのが遅くなってしまったかもしれませんが、地道にアドラー心理学の実践をしていきたいと思います。

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