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ラジオ体操 地獄の千本ノック

先日ツイッターで「運動不足にはラジオ体操がいいぞ!」との発言を目にしました。

確かに、ラジオ体操は一つ一つの所作を丁寧にやれば、結構な運動量になるように思います。ジャンプする運動は賃貸住まいだと難しいですが、それ以外の動きは屋内でやれるところもポイントが高いですね。

引きこもりがちな在宅ワーカーの筆者にはうってつけな気がします。というわけで自重筋トレをする気分じゃないときは、ラジオ体操を取り入れてみることにしました。

■体は覚えている・・・が

早速数日前から「ラジオ体操 第1」を始めてみました。

(画像出典:NHK Webサイト ラジオ体操 図解 ダウンロードページ )

意外と覚えているものですね。頭の中で流れる音楽は合ってるのか間違ってるのかわかりませんが、動きの方は体が覚えてたと言いますか、自然に手足が動きます。

およそ3分間の程よい運動はリフレッシュ効果も高く、「確かにこれはいいぞ!」という感想です。

ええ、確かにいいんです。いいんですが…。時折体操中に昔のことを思い出してしまいます。

■ラジオ体操の千本ノック

高校1年のころ、体育の授業で「ラジオ体操」という科目がありました。

スポーツする前の準備運動じゃありません、ガチンコのラジオ体操です。

ガチンコのラジオ体操ってなんだよと我ながら思いますが、一つ一つの所作をものすごく丁寧に、全力で行うラジオ体操です。

出席番号順で5~6人のグループをつくり、体育教師の見本実演の後、グループごとに本気のラジオ体操第1 を行います。

動きにミスがあれば即中断。他グループの演技が1周するまで待機します。

で、このミス判定がめっちゃ厳しいんです。動きの種類を間違えたというレベルではありません。手の置く位置、足の開き加減、腰の反り具合、そういった箇所まで細かくチェックされます。とにかく大変でした。

全グループの合格が認められるまで、確か2~3週間は掛かったはずです。体育のコマ数は週2回か3回でしたから、結構な時間が掛かったことがおわかりいただけるでしょうか。

ちなみに筆者は男子比率が高めの私立高校の出身です。後になって他の高校出身の友人たちにこの地獄の必須科目「ラジオ体操」の話をしたところ「なんじゃそりゃ」という反応でした。これ全国共通じゃないの?

高校生活に夢見て入学してきた若者が、体育で最初にやる科目が全力のラジオ体操ってどうなんでしょうね。

■体育で学ぶ仕事のプロセス

しかし今になってみると、もしかするとあのラジオ体操は、ものすごく高度かつ実践的なことをしていたのかもしれない、と思うようになりました。

というのも、当時の授業の進め方が非常に合理的なプロセスを踏んでいたからです。改めて申しますと、下記の流れで行っていました。

 1. 体育教師が実演
 2. 生徒らによる練習時間
 3. 生徒らの発表(班ごと) & 体育教師のチェック

ちなみに、不合格を言い渡された後、他のグループが実演している間にグループ内で反省会をすることは認められていました。また、 合格したら他のグループのアドバイスをしてもOKです。

で、ふと思ったのですが、普段仕事をする上でも似たようなプロセスが回ってないですかね?

上司やメンターが模範を示し、部下がプランを立てて実行、チェックが通ってダメならやり直しだけど、レビュー・アドバイスは適宜もらえる…。まさに今日こういう段取りで仕事してた気がします。

体育教師も、われわれが将来社会に出たときのことを考えてカリキュラムを考えていたのかもしれません。なんてすばらしい教師か…!

これからも、当時の体育教師に感謝しながら、マインドフルにラジオ体操を続けていきたいと思います。

■以下、余談

余談ですが、上のNHKによる模範図や、Youtubeの動画を見る限り、当時体育教師から教わった動きにいくつか誤りがありました。前言撤回です。

(トップ画像:いらすとや)

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