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夜行列車 D480 リエカ→ブダペスト イストリア号

夜行列車イストリア号です。スロヴェニアの首都リュブリャナを経由しリエカ(クロアチア)とブダペスト(ハンガリー)を結びます。去年の中欧編同様、Schlafwagen(寝台)のシングル個室で乗りました。2023年8月22日18時47分リエカ駅発、翌日8時59分にブダペスト南駅(Deli)着。走行時間14時間12分。運賃32ユーロ、個室代60ユーロ。クロアチア、スロヴェニア、ハンガリーすべてシェンゲン協定加盟国なので、途中での国境審査はなし。
イストリアの名前はイストリア半島(イストラ半島)から来ているのだと思います。半島の付け根にリエカがあります。


【予約と発券】

去年のショパン号メトロポール号と同様、ネットで予約と発券が完結しました。今回はハンガリー鉄道のサイトにて。去年は存在しているはずの列車が出てこなかったり支払い途中でエラー吐いたりしてましたが、今年は順調に予約できました。支払いが完了するとメールでPDFのチケットが送られてくるので、これを印刷して持って行きます。アカウントを作って予約した場合は、Previous purchasesから予約を閲覧・キャンセル&返金申請もできます。
クロアチア鉄道のサイトではトルコ鉄道同様に国際列車の予約はできませんでした。

【衝撃のリエカ駅】

大きい街ではないので駅も小さく売店とかあまりないのかなくらいには思っていましたが、それどころではない衝撃の駅でした。あまりにも衝撃だったので、ここで合ってますよの意味で詳細報告を……。

リエカ駅外観

市街地のほうからアクセスすると、このように駅舎が見えてきます。平屋根はバーが入っていたので三角屋根が待合ホールかなと思うじゃないですか?なんと廃墟。

ドアの曇ったガラス越しに見た中。改装中だとか(本当にそうであってほしい)。

仕方ないのでもっと先に歩いていくと、やっと開くドアに出会いました。その光景がこちら。

ロッカーはすべて故障中、座れるのは写真右下のベンチのみ。

これだけです。出口の先はもうホーム。白いボックスが窓口。仮にも夜行列車の駅なのでえ?これ?もしかしてもう一つ駅ある?と心配になり、窓口のおばさんにきくとここであっているとのこと。時刻表はこれ。

一日分が一枚に収まる。のどかな駅らしい。18時47分の欄にはきちんとBudapest Deliの文字。

この建物から市街地方面に駅の敷地自体は伸びているので、時間もあることだし散策。

置かれている車両は現役っぽいのもあった。

ドイツ同様改札がないので、切符のない人でも入ってこれます。人気がなく建物に事務所などが入っている気配もないので、ちょっと怪しい人たちのたまり場やお家のない人の寝床にもなっているようです。明るい時間帯でしたがあまりにも人がいないのとたむろしてる人たちの柄の悪さではっきり言って身の危険を感じました(オーバーかもしれないけど、ここで襲われても口ふさがれたら誰にも気づいてもらえないだろうなとか…)。電車を待つときは窓口のある建物の中や出入り口付近にいましょう。他の普通の旅行者の姿もあり安全です。

この辺までは大丈夫エリア。ちなみにRIJEKAのサインはこれだけ。駅入り口にもなし。

そしてお気づきでしょうか。隣のホームに行くには線路の上を普通に歩いていきます。危なくないのかと思いますが、とってものんびりしている駅なので大丈夫です。

おまけ。かわいそうなくらい落書きされた電車ちゃん。ドイツでも落書きは多いけどここまでのは見たことがない……。もう衝撃に衝撃が重なった。

【それ、ずっといるけど……】

前出の一枚しかない時刻表にあったホームの電光掲示板をチェックしながら日陰で待機。車両が到着。しかし18時27分発のリュブリャナ行きが表示されたまま、何も出発することなく時間が経過。夜行の発車時刻まであと10分もないんだけど……。夜行はリュブリャナ経由なのでひょっとしてと思いホームをウロウロしている車掌さんにきくと、「あとここに2両来るから、それがブダペスト行き。もう少し待って。」いやもう発車予定時刻2分前。他の客も一緒に心配しながら待っているときちんとBudapest Deliと書かれた車両が登場。車両の登場自体が出発予定時刻を過ぎている…いいのか、ここ始発駅だぞ……。そしてそもそもリュブリャナ行きの時刻は夜行と20分もずれているんだが一体……。大丈夫なんだろうか……。駅も運営も衝撃……。

【設備】

車掌さんにチケットを見せ、車両へ通してもらえたので合っているのでしょう。もうブダペストについてさえくれれば何でもいいです。

個室内。レトロな雰囲気。

古き良き夜行の旅の情緒ある素敵なレトロ車両なのですが、エアコンも送風機もありません。そして朝ブダペストからリエカに到着してからずっと炎天下の中放置されていたのか、車内はサウナ!乗客全員で窓を開け換気大会開始です!

ウェルカムシャンパン。標準サービスなのか、あまりの暑さゆえの乗客への施しなのかは不明。キンキンに冷えていました。これが冷房のようです。
支給品。
テーブルを開けると洗面台が登場。上の戸棚は鏡。鏡の上にコンセント。ケーブルが2mあればここから充電しながらベッドでスマホ使えます。

この車両はシャワーがないので洗面台がとてもありがたいです。これで顔や首、腕は洗って日焼け止めとか落とせますしね。体は洗えないけど服を着替えて、髪はドライシャンプーして少しスッキリ。

ドアは中からはロック可能。安心して寝れます。

発車すると窓から風が入ってきて幾分か涼しくなりました。

車内販売のメニュー。ハンガリー語なので全く読めない。
廊下。MÁV印のエンジ色のカーテンが渋い。

【国境警察登場】

やっと車内がまともな温度になった頃、開けっ放しのドアからいきなり声をかけられました。制服を着た人たちで、ナントカカントカドキュメンタと。国境警察で身分証の確認のようです。クロアチアは今年からシェンゲンでは?と思いつつもパスポートと、シェンゲンエリアに3カ月以上いるので違法滞在ではないですよの意味でドイツの滞在許可証を出すと、顔をチェックして終了。通過するスロヴェニアも行先のハンガリーもシェンゲン協定加盟国なのでスタンプなどはなし。シェンゲン内では原則パスポートコントロールはありませんが、たまにこういうチェックはあります。
その後はリュブリャナで長時間停車した後、明け方にはハンガリーに入ったようでした。ハンガリー国境を越えたところで食堂車が連結されたというような車内放送があった気もしますが、90%寝ていたので定かではありません。

【ただいま、ツイッター】

クロアチアもEUなのでずっとドイツのSIMでローミング(EU域内はEU加盟国のSIMなら追加料金なしでローミング可)していたのですが、インスタやグーグルは普通に使えるのになぜかずっとスマホ(アンドロイド)からツイートができなかったのです。が、国境を越えスロヴェニアの電波を拾った途端すんなりとツイート復活。いったいなぜだったのかはわかりませんが、ツイ廃にとっては歓喜でした。

【食事】

前日の段階で車掌さんから、朝何が飲みたいかきかれていました。食べ物はなくともコーヒーだけでもありがたいなと思っていたところ、ちゃんとパンも支給されました。

聞き取りがなかったので、パンは選択肢ナシでみんなおなじっぽい。ちなみにチョコ味。

朝ご飯を食べハンガリーの朝の景色を眺めていたらあっという間でブタペストが見えてきました。

きちんとブダペスト南駅に到着。
外観もなかなかレトロ。
牽引車。

初めて夜行に乗った去年に比べてワクワク度が落ちたような気もしますが、レトロ車両はテンション上がりましたね。車掌さんも親切な方で英語もそれなりに通じ、不便やトラブルなく旅ができました。

以上でリエカ→ブダペストの旅は終了。ブダペストと近郊(そのうち書いたらリンク張ります)に続きます。

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