老化は病気だと認識すれば、対処方法はある!?
中国の最初の皇帝である始皇帝の時代から人間は不老不死の妙薬を
探し続けていましたが、そんな特効薬は科学技術が発達した現代
でも見つかっていません。
おもしろいことに不老不死の丹薬と称されるものを服用した唐の歴代
皇帝も、かえって寿命を縮めてしまったという笑えない話があります。
そんな現代でも、GoogleやAmazonなどの企業が老化を防止する、
つまりアンチエイジングの研究に巨額の資金を投入してその新薬の
開発に余念がありません。古今東西、巨大な富と力を手に入れた者が
最後に望むのは永遠の若さと命であるというのは変わりません。
老化防止、アンチエイジングに関する研究は、実のところここ30年
ぐらいの歴史しかありません。それは老化はすべての人がいずれ
迎えるものだと思っていて老化を病気だと認識していなかったことが
原因です。
現代の医学では、ガンや脳血管疾患などの加齢に伴う病気の予防・治療
を症例事に個別に対応することである程度の成果を上げていますが、
それらは人類の寿命を3年ほど伸ばすほどにしか貢献していません。
根本的には、これらの疾患を助長する決定的要因である老化そのものを
治療することが健康寿命を飛躍的に伸ばすことがわかってきました。
そして、近年さらにわかってきたことは、活性酸素の害や細胞のテロメア
(染色体の末端部)の短縮が寿命に影響するということ。
しかし、テロメアの寿命を強引に延ばそうとすると細胞の癌化が起って
しまうという矛盾が起ってしまいます。
アンチエイジングには上記の単純な要因ばかりではありません。
DNAの損傷、老化細胞の蓄積、免疫システムの故障など、10種類ほど
の要因が複合して起こるものであることがわかってきました。
そんな研究の中で、成果のひとつとして、イースター島で見つかった
化合物ラパマイシンが、人間でいえば60歳に相当するマウスの寿命を
10%伸ばすことに成功したという研究結果が出てきました。
まだ、マウス実験の段階ですが、かなり期待できるものです。
抗酸化に関しては、第7の栄養素といわれている植物のフィトケミカル
であるポリフェノールが緑黄色野菜に豊富に含まれている栄養素が効果的
です。たとえば、ほうれん草、ケール、小松菜、ブロッコリーなどの野菜
を積極的に摂ると効果が期待できます。
しかし、フィトケミカルは本来、植物が生き残りをかけて虫や動物から
身を守るためにできた毒なのです。そのため大量に摂ると毒になりますが、ホルミシス効果で少量ならアンチエイジングになるのです。