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どこでもドアでは見えない景色をデザインする

(隙間時間に書き殴っているので、明日あたり見やすいように体裁を整えます。ご了承を…)


数ある趣味の中で結構長い間どハマりが継続しているのが「キャンプ」。
キャンプの何がいいって、焚き火の前でお酒飲んでポケーっと過ごすこととかあれこれありますが、
一番はなーーーーーんにもない自然の中に身を置いて「不便」を楽しむこと。

限られた道具で工夫しながら過ごしていると、日常では得られない達成感や心の充足感をめちゃくちゃ感じてます。

この体験は普段の仕事=UXデザインにも通ずるものがあると思っていて、
「UX(ユーザーエクスペリエンス)」は常にユーザにとっての「利便性」を追求するものだと考えがちですが、
利便性を追求するだけではなく、「不便さ」や「制約」をあえて設けることで、ユーザーに新たな発見や学びを提供することができる、
すなわちそれがプロダクトやサービスとのより深い関わりや満足感を提供につながると私は考えています。

今回は先々週、焚き火の前で何となーく考えを馳せていた、不便さと満足感、充足感について、いい機会なのでアウトプットしておこうと思いますが、キャンプが例だと共感、イメージできる人が少ないかもなので、「旅」に置き換えて話を進めます。

旅は移動に時間を要します。
それを効率化した先に「どこでもドア」があるけれど、
移動時間の億劫をどこでもドアで解決することが本当にユーザにとってHappyな体験なのかは疑問。
どこでもドアだと、移動中の景色の移り変わりを楽しむことや、ビールを飲んで盛り上がる友人との会話、駅弁を食べてその土地の味を楽しむこと、いろんな価値が削ぎ落とされていきます。

便利にすることが目的になってしまうと本末転倒で、重要なのは体験そのものの質をいかに高めるかではないでしょうか。

例えば、旅の中で「不便さ」を感じる瞬間には、その土地ならではの体験や予期せぬ発見が隠れていることがあります。
長い移動時間があるからこそ、道中の景色を楽しみ、乗り物の揺れの中で思索にふける時間が生まれます。
これこそが、旅の醍醐味であり、旅が単なる移動以上の価値を持つ理由です。

IT企業にいると、良いユーザ体験とは、すべてをデジタル化することでユーザの作業を効率化し業務全体を改善していく、いわゆるDXを追求することに目がいきがちなんですが、
デザイナーとして私たちが目指すべきは、ユーザーにとって本当に良い体験とは何かを徹底的に考え抜くことであって、その答えが必ずしもデジタル化や効率化だけに収束されるわけではないと私は考えています。

ユーザーが「不便」だと感じる部分には、実はユーザーが最も楽しんだり、充実感を感じたりする要素が潜んでいるからこそ、
すべてを最適化し、効率化することで、本来の魅力や楽しさを失うリスクもあるのです。

だからこそ、デザイナーとしては、「不便さ」や「制約」を単なる障害と捉えるのではなく、それを乗り越えるプロセス自体を楽しめるようなデザインを考えることが大切ですし、
重要な価値とは何か、削ぎ落としてはならない価値は守りつつ、課題を解決し、ユーザーにとって最も満足できる体験を提供することが、私たちデザイナーの役割だと考えています。

これからの時代、テクノロジーの進化がさらに加速する中で、私たちは改めて「人間らしさ」を忘れないデザインを目指すべきだと思います。

ユーザーがただ単に効率的に目的を達成するのではなく、その過程で何かを感じ、学び、楽しむことができるような体験を提供する。

それが、UXデザイナーとしての真の価値であり、
この信念を胸に、次のプロジェクトでもユーザーの心に響くデザインを届けられるよう、今日もサービスの先にいるユーザのことを考えて私も、UXteamのメンバーも仕事に邁進しています。

UXteamの蓮見でした。



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