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憲法、自民党改正案の問題点

憲法、自民党改正案の問題点

自民党は、なぜ憲法改正が必要だと考えるのか?
一部の改正推進論者がいて、丸め込まれているように思えるのだが、
改正案を見ていくと、政権(権力側)に都合のいいように改正したいという意図が伺える。都合の悪い部分は削除や変更するわけだ。
詳しく全部を説明すると長くなりすぎるので、重要な項目と要点だけを抜粋したいと思う。
これだけでもかなり長くなってしまったが、基本的には変更点を見ていけばいい。
個人的に超重要であるものには太字で書かせていただいたので、長くて時間のない方はそちらだけでも目を通していただけると幸いです。

❶前文の全文改定。
これの中で特に問題になるのは、改正後に入ってくる「統治」という言葉。
統治=支配になりうるので有り、これは国家権力による支配につながる危険性がある。
隣国で言えば、中国や北朝鮮といった感じだろう。
すでに日本でも行われているメディア規制。そして行動制限、発言規制などである。
場合によっては逮捕、監禁。刑の確定や重ければ処分まで。
つまり、今までの自由が奪われ、最悪は死刑になる可能性が高くなる。
そうなりたくなければ、憲法改正はするべきではない。

❷第一条の天皇について、象徴から「元首であり」と追加
元首とは統治権や行政権、条約締結や外交などを有する事であり、問題は誰かに操られたりする他、責任を負わされる可能性さえある。
元首の名の下に、誰かに都合の言いようにされかねないという懸念が出てくる。
ちなみに、後述の改訂版第五条において、「国政に関する権能を有しない」となっていることに矛盾を感じる。ならばあえて元首とする必要性はないのである。
つまりは、元首の命と謳って事を始める気満々である。

❸第九条の新設、国防軍を追加
法律を作り、国防軍を組織する。そして九条の三では、国民と協力してとある。
つまりは、徴兵制の導入となりえる。

❹第十二条
「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、公益及び公の秩序に反してはならない。」という、もっとものような文脈の追加。
現憲法には努力によって保持するとはあるが、責任や義務が伴うとは謳ってないし、公つまり国の決めたこと、例えば、ワクチン接種などに反してはならないという解釈もできる。
つまり、自由な選択肢ができなくなっていくということ。

❺第十三条
国民の権利について、
「公共の福祉に反しない限り」から「公益及び公の秩序に反しない限り」となっている。
問題は、公益=国の利益はプライマリーバランス=PB黒字化目標も視野に入っていると考えられる。
又、公の秩序は国の考え方で左右されるものであり、私権の制限、国家権力の増大も考えているのではないだろうか?

❻第二十四条
新設「家族は互いに助け合わなければならない」
これは仮に、DVがあろうと又は関係性が悪化していようが、面倒を見なければならないということにも起因し、国はなるべく生活保護を出したくないという意思があるのだろう。

❼第二十五条の二
新設「国は国民と協力して、国民が良好な環境を享受することができるようにその保全に努めなければならない。」
ここの問題点は、良好な環境を国(政府)が、どう捉えるか?という事。
例えれば、原発問題。
自然環境より、人間の生活環境を優先させる可能性がある。

❽第二十九条2
財産権の内容は公共の福祉に適合するようにから→公益及び公の秩序に適合するようにと変更になっている。
福祉ではなく公益となっている点が問題であり、国によって財産権の侵害が起こる可能性があるということ。
政府の意向により変わっていく可能性が高い。

❾第五十六条
両議員の議事の開催と議決に関するものですが、ここでは①と②を入れ替えているのですが、よく見ると議決に関してはそれぞれの総議員の3分の1以上の出席としているものの「議事を開き」という部分を削除しているのがわかる。
つまり、1/3以下では議決はできないが、開催や説明、進行はできると言うもので、議決するときだけ1/3の要件を満たせばよいということになりかねない。つまりは、議員数によっては、議事運営を都合のいいようにコントロールできると言うこと。まあ今までも、うまくコントロールされてきたとは思うが、あえてこのタイミングで用件の削除をしてきたことに疑問を覚える。

➓第六十三条
これは文を二つに分けたが、注意点としては、2の付け足した文であり、「ただし、職務の遂行上特に必要がある場合はこの限りではない。」と言うところ。
当然といえば当然なのだが、わざわざ付け足しているのは乱用できる可能性が高まると言うことであり、他の文でもそうだが、付け足す必要性はないと思う。

(11)第六四条の二
新設で政党に関して付け加えられている。
ここでの問題点は、今の政党政治が国民の為になってきたと言うなら有りではある。
しかし、現実問題として、党利党略により少数の権力者によって、都合のいい政治が行われ、国力を削がれてきたと言う事実を見れば、今更、政党政治を擁護するような憲法への追加は、悪意しか感じ取れない。

(12)第六十五条
行政権は内閣に属する、とあるところを、
追加文の「この憲法に特別の定めのある場合を除き、」と言うところ。
さあ、内閣以外にどこに属するのでしょうか?個人、例えば総理の直属になるのか?と言う疑問が残る?

(13)第七十条2
新設、「総理大臣が欠けたとき、・・・・あらかじめ指定した国務大臣が、臨時に、その職務を行う。」と言う。
もっともな内容ではあるが、今までに亡くなった総理もいたが、対応できていた。今更なぜ?新設で憲法に書き記しなければならないのか?
そのような事象がこれから頻繁に起こるのか?
権限を固定する必要があるのか?

(14)第七十二条
「総理大臣は・・・その総合調整を行う。」
と追記している。
指揮監督というのは、以前からであるが、『個人である総理自らが、総合調整を行う。』
というのは、権限の強化になりかねない可能性を秘める。

(15)第七十二条の3
新設、「内閣総理大臣は最高指揮官として、国防軍を統括する。」とある。
これは第九条の二において国防軍を新設した事に伴うものであり、その中でも同内容を記している。それをここでも誇示している。

(16)第七十七条2
現行憲法では、公務員である検察官のみ最高裁判所の定める規則に従わなければないらない、としているが、改訂案ではそれが弁護士その他の裁判に関わるもの、つまり一般人においても制限されることがある、という内容になっている。
これが今後どのようになっていくのか?は専門家ではないのでわからないが、追記の意味は何かしらの意図があると見ておくべきであろう。

(17)第八十三条2
新設、「財政の健全性は法律の定めるところにより、確保されなければならない。」
これは、知識のある人ならわかるが、現在、財政健全化とうたい、緊縮財政によって片寄った増減税をし消費を落ち込ませ、経済をボロボロにしてきた元凶を憲法に書き込もうという憲法改正の中でも最悪の内容の一つである。
こんなことが憲法で決められたら、ますます国力が低下するのは目に見えているし、そもそも、経済は内需、国外との変化による関係もあり、方向性も変化するものである。
この憲法改正案を書いたものは、意図的であるとしか思えない。
それは日本の国力を弱めると都合のいい権力者が画策したものだろう。

(18)第九十二条
現行九十二条を九十三条の2に入れ、新たな九十二条として住民の参画と負担の義務を明記。国を縛る憲法が国民を縛る憲法となっていく一つの文脈である。

(19)第九十三条
新たに地方同士の相互協力を定義している。
これは、国の負担を減らしていくという目的もあるのだろう。

(20)第九十六条
新設、ここでは地方自治体の経費を基本的には地方税その他の自主財源を基本とし、国は足りない分の補助ということを歌っている。
これは、地方が国と違って財源を確保できない事を理解してないもので、今までの国と地方の関係性を理解できていない事であり、話にならないレベルである。
これも緊縮財政的思考である。

(21)第九十七条
これは現行憲法第九十五条に、
「特定の地方自治体の住民にのみ義務を課し、権利を制限する」という文を特別法に追加したもので、ここでも問題なのは、憲法にて個人の権利を制限しているという事である。

(22)第九十八条
新設、この緊急事態の宣言においては、特に2の「事前又は事後に国会の承認を得なければならない。」とあり、事後でもいいという事。
3の100日超えて継続しようとするときは、100日を超えるごとに事前の承認を得なければならない、というセーフティも結局のところ、衆議院で数を抑えていれば続行できるし、この後の憲法改正において、簡単に改正できるとなれば、うまくごま化しながら変えていけるという事。

(23)第九十九条
新設、緊急事態宣言の効果。
問題点ばかりであるが、簡単に書くと宣言が発せられれば、内閣が法律と同等の効果を有する政令を決めることができ、財政もコントロールでき、
2では、政令の制定や処分は、国会に事後承認でいいという事。
3は、国その他公の機関の指示に従わなければならないという事。ここもセーフティ的な後文の14・18・19・21条の保証は、知らぬ間に消していけばいいという事だ。
4では、この宣言効果中は衆議院は解散されない、となっていて、都合のいい時期まで延長できるという事である。

(24)第百条
改正の発議要件の緩和がされており、現在の総議員の2/3以上の賛成で国会が発議というものが、人数の関係ない衆議院又は参議院の議員の発議となる。つまり発議は簡単にでき、それぞれの総議員の過半数の議決という内容に変わっている。
簡単に書くと2/3以上の賛成での発議から人数制限のない議員の発議に代わり、与党ならば当然の過半数の議決で国民投票にでき、偏向報道により国民はうまく騙されるというシナリオができる。

(25)現行、第九十七条の削除
簡単な内容は、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権、権利は現在及び将来の国民に対し、犯すことのできない永久の権利である」というもの。
これを削除するということは国民の、個人の権利権限をなくす、又は弱体化させるということであり、自由や民主主義の根幹を脅かすものである。

(26)第百二条
「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」と追記している。
本来、憲法というものは国家権力をしばり国民の自由を保障するものであるのだが、今回の改正案全体が、権力の解放と個人の自由・権利の制限を加えているという点である。
これは憲法により独裁政権を擁護することになりかねないという危険性である。

(27)附則
現行は公布より6ヶ月という期間を経て施行となっているが、改正案は日付を指定する。
つまりは前倒しで施行できるということ。
早急に改憲したい場合は都合がいいものである。

ーーー
その他、以前からある憲法でも、問題がありそうなものがある。
それは、今までの議員数において与党が大多数になっていることが現実としてあり、これによって起こる問題点は、第五十五条の議員資格停止である。
つまり、与党が大多数を占めた場合起こること、それは与党側においてはいかなる問題議員でも決議させず、辞職させることができるし、特定の野党側議員を問題視し、議席を失わせる事ができる。
これは、性善説によって生まれた法律だからではないか?と思われるし、そもそも、国民からの支持が得られて議員となるはずが、人気でなってしまう今の現状は予想されなかったのであろう。そこまで国民は愚かではないと。
本来はそれなりの理由によってのみ議席剥奪は必要なのだが。
そして、第五十八条の2は各会議の中での出席議員の2/3の議決により、懲罰や除名ができる。当然勢力数が関係してくるのは言わずもがなである。
人道的思考の議員たちであれば問題ないのだが、これまでの政治を見ていると権力側がそうではないと思える。

長文になってしまったが、これはそうなるというわけではないけど、そういうことも起こりうる、ということであり、改正したい側の意図や理由が隠れていると思われる。

皆さんは、メディア等の言い分に誤魔化されないよう、また、今後改正の国民投票が行なわれる場合、今の政権でそれをおこなって大丈夫なのか?もっと後でもいいのではないか?違った改正案が出て来た時でいいのではないか?という事をよく考えて早急に変える事の危なさを知ってもらいたいと思う。

これらの懸念は日本会議における発言を動画で見れば、決して妄想や陰謀論ではないと思っているし、政府の、権力者の考えでいくらでも操作できるという事。

最後に「自由を手放すな」と言いたい。

以上

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