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触れてはならない

お釣りを手渡しでなくトレイに置かれて怒り出す人がいるらしい。そんな時代もあったんだなと勝手にセピア色の光景を想像していたら新型コロナの自粛が明けた頃の話だと知って驚いた。僕はトレイで渡して欲しい。

他人と指先が触れ合うのが怖い。感染症よりも身近で即時的なリスクである静電気を恐れている。乾燥している今の時期こそ警戒が必要だし、一度経験した痛みは半年は忘れない。つまり一年中ビビりたおしている。

感染症リスクへの懸念からキャッシュレス決済が改めて注目されたのは追い風だったと思う。現金払いによる「家に小銭が貯まる問題」も同時に解決する一石二鳥の方法である。

時代の流れはテクノロジーの進歩とともに生活をより良くしてくれる。

そんなふうに考えていた時期が僕にもありました。非接触で会計が済ませられる時代はそこで止まらず、さらに進んでセルフレジが導入され始めた。店員と対面することさえ必要ではなくなっている。

そこで新たな問題が生まれた。決済方法をタッチパネルで選択しなければならない。現金ではなく非接触決済を利用したいことを機械に伝えるために液晶画面に触れろと言うのだ。そこでも静電気は起こり得る。

スマホ用のタッチペンでも持ち歩こうかと思ったが、セルフレジであまり不審な行動を取りたくないんだよね。