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煙突とお月さま

ChatGPTによる今日のお題は「煙突」ときた。正直、何の思い入れもない。

強いて挙げるとしたら子供の頃に聴いた「すうじのうた」だろうか。数字の1を工場の煙突に見立てる数え歌である。

改めて聴いてみると歌詞がユルい。弓矢で武装しているカカシのあたりから雲行きが怪しくなる。ラッパが壊れている必然性はないように思えるし、だるまの置き場所にも意味はなさそうだ。

それでも数字の形を何かに見立てる頭の体操みたいなことが楽しかった。今だって天下一品のロゴが進入禁止の標識に似ている話とか大好きだもん。

それと当時はそこまで考えていなかったと思うが、数字が順番に並んでいるだけで心地よさを感じる。1から10までというのも良い。9でも11でもない。10には「完全」のイメージがある。

この歌では10を「煙突とお月さま」に見立てる。限られた10枠に煙突が2回登場するのは冗長とも言える反面、最初と最後に類似性を持たせたことで回帰を表してもいる。

ただ単に帰ってきたのではない。今度は月が出ている。人工物の象徴たる煙突を手の届かない自然物である月が見下ろしている。

繰り返される人間の営みとそれをずっと見守る天体。このコントラストが美しいと大人になった今は思う。