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蛙化現象

好きな相手の食べ方が汚かったり、店員を呼んだのに気づかれない姿を見たりして恋愛感情が一気に冷めることを蛙化現象というらしい。とくにZ世代の女性に多く見られるそうで、若い男性諸氏には同情してしまう。

むやみに世代の違いで片付けるのもどうかと思うが、今は「アバタもエクボ」のことわざが通用しない時代なのかもしれない。実際のところ、短所すら長所に見えるというのは身も蓋もない言い方をすればただの誤認である。

いずれ誤りに気づくのだとしたら早い方がいい。恋の盲目に陥る前に見限る判断を下せるのは生物的には正当な進化と言える。

ただ、相手もまた生物であり、生きていれば成長の可能性がある。店員に気づいてもらえないのは声質の問題もあって簡単ではないだろうが、食べ方についてはなんとでもなりそうな気がする。

あるいは成長なんか待っていられない、そもそも成長する期待が持てないという心理の現れなのだろうか。タイパやリスク回避を重視すれば必然的に将来性よりも現時点での完成度を求めることになる。

他人の恋路に口を挟むのは野暮だとわかっているが、好きだったものが好きでなくなるというのは他人事にしても悲しいことだ。

↓次回、もう一つの蛙化現象につづく。