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好評発売中?

他人の評価が気になる。自分がどう思われているかではなく、自分と同じものを見た他人がどう思っているのかを知りたい。当事者と第三者の視点を比較しても得られるものは少ないが、第三者同士の比較なら多くの発見があるはずだ。

人気投票はもっとも身近な評価システムだと思う。売り上げランキングや住みたい街ランキングなど、順位がつけられているとそれだけで目を惹く。キッチン用品の一番人気を知ったところでどうせ買わないのに結果だけは気になってしまう。

しかし、人気評価は似て異なる。リピート買いされる消耗品は別として、繰り返し使える製品は買った後の満足度が売り上げには直接反映されない。口コミはある程度売り上げに貢献するだろうが、マス広告の前では無に等しい。結局、広く認知されたものが売れ、多く売れたものがさらに売れる。

もう一つの問題はランキング対象候補にチャンスが平等に与えられていないことだ。消費者はすべてのキッチン用品を試してはいないし、住みたい街を選ぶときに日本全国すべての市区町村を検討してはいない。選手ごとに審査員の数が異なるのに合計点で競わされている。

人気投票とはそういうものだと割り切って楽しむのが良いのだろう。それでも知名度が拮抗している上位陣の争いなら評価の良し悪しが順位に反映されているかもしれない。

次回、「星の数」につづく