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ネットの海

最近書いた炎上の話と津波の話に共通点を見る。

炎と水のどちらにも共通しているのは「力」の及ぶ領域をどんどん拡大させていくところだ。そして、津波が自然災害であるのに対して炎上は人的災害である。

まず発生源に人がいる。

機械や動物は炎上しない。人間のやんちゃな発言や行動がSNS等で話題になって多くの人々が眉をひそめる結果に繋がる。発生を未然に防げれば誰も不快なものを見なくて済むが、たぶんこの先もずっとやんちゃな人は発生し続けるだろう。

次に媒質として人がいる。

津波が海水を通してエネルギーを伝えるように、炎上はメディアを通して大勢に伝わる。さらに津波が海岸線を侵食して被害を拡大させるように、炎上も口コミで拡散されてメディアを見ていなかった人の目にも届く。

インターネットはよく海に例えられる。すでに死語かもしれないがネットサーフィンという表現もある。だから津波が不可抗力であるように、なんとなく炎上騒ぎも「ネットは怖いねー」くらいに思っていた。

しかし、怖いのはネットではなく人間だ。一人ひとりに悪意はなくても負のエネルギーを拡散しているのは間違いなく人間であって、これを不可抗力で片付けてはいけない気がする。