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社会には自分と他人しかいない

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人間関係の記事をピックアップしていきます。不定期。
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2023年6月の記事一覧

自分さえ良ければそれでいい。 人間は元来そういうふうに出来ているのだと思う。それを倫理観とか善悪の価値観で矯正しようとするから歪みが生じてしまう。かつての思いやりに欠けた自身の行動を誤った方向で悔やんだりする。 友人にイラストを描いてもらう機会があった。その人は趣味で絵を勉強していて、絵心のない僕には到底出せないクオリティーで仕上げてくれた。が、本人は満足していなかったようで、別の人にお願いしてくれたらしい。 後日、その絵描きさんが描いた別案を見て僕はこう言った。 「

少数派の憂鬱

道の真ん中を歩いている人が、端っこを歩く人の気持ちに寄り添うのは難しい。 まだ人が少ないうちは見通しがきく。が、混雑してくると彼らの周囲には同じように真ん中を歩いている人しかいなくなる。人垣の先にいる端っこ勢の姿は見えにくくなる。 見えているものだけが世界のすべてではない。頭ではわかっていても見えないものに意識を向け続けるには相当のコストがかかる。見える範囲だけなら目指せたはずの幸せに手が届かなくなる。 舌打ちが聞こえても僕はその人を責められない。

信じる者は救われる

信じることが美化され過ぎている。 「私はあなたを信じています」 なんてセリフをキラキラした瞳で真っ直ぐに見つめながら言われたら、雰囲気に流されてキュンとしてしまうのは無理もないことだとは思うが、これって要するに 「考えることをやめました」 と言っているに等しい。十分な材料を集めて自分で判断するのが難しくなったから諦めて全部お任せしますと白旗を上げているのだ。 現実的に直面する問題に対してすべて自分の頭で考えていたら時間がいくらあっても足りない。相手の能力が高ければ自