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2020年自選十句(吉田裕子)

散髪の帰路よく晴れて日記買ふ
託つ母電話に叱る余寒かな
春一番鋭き解に大きマル
籠り居の読書進まず兼好忌
紫陽花の糸雨鷗外荘閉館す
冷索麺良人の里の麺の腰
梅雨の雷立石寺にぞ轟ける
湧水の冷たさ痛し雲の峰
星月夜あとからあとから名なき星
新宿に空のあるなり鰯雲

いずれも結社誌『松の花』にて発表済みのものです。
まだ句の良し悪しを判断できるだけの目がないもので……。句会や誌上で比較的お褒めにあずかることのできたものを中心に選びました。

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