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■アベンジャーズ・フォーエバー Part 2

■Avengers Forever (Part 2)
■Writer:Kurt Busiek with Roger Stern
■Penciler:Carlos Pacheco
■翻訳:クリストファー・ハリソン ■監修:idsam
■カラー/ハードカバー/1,999円 ■ASIN:B0BFTWP94N

「マーベル グラフィックノベル・コレクション」第19号は、1998~1999年にかけてカート・ビュシーク&ロジャー・スターン(ライター)、カルロス・パチェコ(ペンシラー)らが送り出した全12号のリミテッド・シリーズ『アベンジャーズ・フォーエバー』の後半部(#7-12まで)を単行本化(前半部は「マーベル グラフィックノベル・コレクション」第12号として刊行)。

 アベンジャーズの時空を超えた壮大な戦いは続く! イモータスの本拠地であるリンボを訪れたアベンジャーズたちは、イモータスの行動の裏に隠された恐ろしい真実を知ることになる。人類の未来を守るため、アベンジャーズはイモータスを倒し、不可能と思われた戦いに挑んでいく。(第19号表4あらすじより抜粋)

 ……さて、前回のエントリで、本作の成り立ちの経緯や、主要キャラクターの状況について語ってしまったので、本エントリではあらためてなにか語ることはない。

 本作のヴィランであるカーンとイモータスの因縁についてでも語ろうかとも思ったが、今年公開された映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』にヴィランとしてカーンが登場したおかげで、既にカーンのオリジンに関するnote記事も、余所で書かれているので、こちらから強いて付け加えることもない。

 なので、本作のラストで誕生した、新キャプテン・マーベル(ジェニス=ヴェル)について解説する。ぶっちゃけ、筆者の趣味である。


 さて、前回のエントリでも説明したが、キャプテン・マーベル(ジェニス=ヴェル)は、1993年の『シルバーサーファー(vol. 3)』アニュアル#6(8/1993)で初登場したキャラクターで、当初は「レガシー(遺産)」なるコードネームを名乗っていた。

 レガシーは、キャプテン・マーベル(マー=ヴェル)の恋人であったエリシウスが、マー=ヴェルの遺伝子を基に超科学技術を用いて創り出した「息子」であり、初登場後、『シルバーサーファー(vol. 3)』誌やリミテッド・シリーズ『コズミック・パワーズ』などにコンスタントに登場した後、1995年には個人誌『キャプテン・マーベル(vol. 3)』も獲得する(ライターは、この当時『X-MEN』系のタイトルで頭角を現していたファビアン・ニシーザ)。

 この『キャプテン・マーベル(vol. 3)』の#4(3/1996)で、ジェニス=ヴェルは正式に父親のコードネームを受け継ぐこととし、「キャプテン・マーベル」を名乗る……が、残念ながらその2号後の#6(5/1996)で、『キャプテン・マーベル』誌は打ち切られてしまう。

 ちなみに、『キャプテン・マーベル(vol. 3)』誌の方は電子化されてないが、『シルバーサーファー(vol. 3)』誌の方は、いくらか電子化されており、レガシーの初登場話であるアニュアル #6も単話で電子版を購入できる。

 ちなみにレガシーは、『シルバーサーファー(vol. 3)』本誌には、#89-90、#105-110とアニュアル#7に再登場しているのだが、Kindle版『シルバーサーファー(vol.3)』は、図ったように#89~122までのイシューは登録されていないし、アニュアルも#7だけ抜けている。何故だ。

 ……しょうがないので同時期のコミックで、レガシーがゲスト出演する話を収録した『サノス:コズミック・パワーズ』の単行本のリンクなどを張る。収録内容は『シークレット・ディフェンダーズ』#12-14(2-4/1994、#14のラストでレガシーがシルバーサーファーのオマケでちょっとだけ登場)と、リミテッド・シリーズ『コズミック・パワーズ』#1-6(3-8/1994)。

 『コズミック・パワーズ』は、強敵タイラントへの挑戦を目論むサノスが、テラックスと共闘し行動を開始。サノスに恋人ガニメデを拉致されたジャック・オブ・ハーツはレガシーと共闘し、サノスの元へ向かうが、最終的にサノスと(不承不承)手を組み、タイラントに立ち向かうのだが……と言う、当時の『シルバーサーファー』誌のヒーロー&ヴィランが集結する話。うち#4(6/1994)は、レガシーの主役回で、ジェニスが父親の仇であるナイトロと戦い勝利する様が描かれる。


 ……で、その後しばらくキャプテン・マーベルは忘れられたキャラクターとなっていたが、やがて刊行された『アベンジャーズ・フォーエバー』に、コスチュームを一新した未来のキャプテン・マーベル(ジェニス=ヴェル)が登場。同作のラストで、未来のジェニス=ヴェルが瀕死のリック・ジョーンズを救ったことがきっかけで、現代のジェニス=ヴェルとリック・ジョーンズの間に絆が生まれてしまい、両名は「ネガバンド」を通じて肉体がリンクする状態となってしまった(同時に、現代のジェニスの容姿は、未来のジェニスと同じものに変化する)。

 要するに、現世にリックがいる間は、キャプテン・マーベルは異次元世界(後に「マイクロバース」と呼ばれる閉鎖次元界であることが判明)に送られており、リックが両腕の「ネガバンド」を打ち鳴らすことで2人の肉体が入れ替わる(リックはマイクロバースへ、ジェニスは現世へ。なお傍目には、リックがネガバンドによってマーベルに「変身」したように見える)。逆に、現世にジェニスがいる時に、彼がネガバンドを打ち鳴らすことで、マイクロバースのリックは現世に現われ、ジェニスはマイクロバースに送られる……といった状態になった。なお2人の精神はリンクしており、現世にいる側の視覚・聴覚をマイクロバース側が共有したり、相手の脳内に念話を送ることもできる。

 で、『アベンジャーズ・フォーエバー』が#12(12/1999)で完結した翌月、即座に新キャプテン・マーベル(ジェニス=ヴェル/リック・ジョーンズ)を主役とした新オンゴーイング・シリーズ『キャプテン・マーベル(vol. 4)』#1(1/2000)が創刊されることとなる。

 ちなみにマーベルは、この新『キャプテン・マーベル』誌のプロモーションにそこそこ力を入れていたと見え、新シリーズが創刊される2か月前に、コミック情報誌「ウィザード」の付録として、『キャプテン・マーベル』#0(11/1999)を出す、ということもしていた。

 この新シリーズのライターは、直前まで『インクレディブル・ハルク』誌のライターを12年間勤めあげてきたベテラン、ピーター・ディビッド。ハルク(ブルース・バナー)のパートナーだったリック・ジョーンズの人生も長年綴ってきた彼は、リックが主役の新シリーズのライターとしては実に最適な人選と言えた。


 ちなみに、ピーター・ディビッドによる『インクレディブル・ハルク』誌の連載分は、各巻1000ページ越えの単行本『インクレディブル・ハルク バイ・ピーター・ディビッド・オムニバス』全4巻としてまとめられている。ディビッドの12年に渡る連載を、クロスオーバーしている他のタイトルも含め、完全網羅した単行本を出すのだから恐れ入る。

 こちらは今年5月に刊行予定の『オムニバス』第5巻。12年の連載終了後に、ディビッドが折々で書いた『ハルク』関連の作品を取りまとめた、落穂拾い的な一冊(の、割には900ページ弱もある)。

 閑話休題。

 ベテランのディビッドによるストーリーは、お気楽なリック・ジョーンズと生真面目なジェニス=ヴェルが脳内で掛け合いをしながらヒーロー活動に取り組む、疑似的な「バディもの」の様相を呈しつつ、リックの別居中の奥さんマーロ(ロサンゼルスでコミックショップを経営中。ちなみにリックと彼女の出会いから結婚までは『インクレディブル・ハルク』のディビッドの長期連載中に描かれた)やロレイン(マーロの悪友。初登場話で悪人に殺害され、以降、マーロにだけ見える幽霊として登場)、それにムーンドラゴン、ドラックス、シルバーサーファーと言ったコズミック系のキャラクターらが個性あふれる掛け合いを繰り広げる、オフビートなヒーローものに仕上がっており、毎号が心地の良いテンポで展開された。

 まあ、ディヴィッド好きの筆者のひいき目もあることは申告しておくが、つとめて客観的に評価しても、このピーター・ディビッドによる『キャプテン・マーベル(vol. 4)』は、水準以上のクオリティを常に維持していた傑作である(シリーズを通じてのアーティストであるクリスクロスが、掛け合いをするキャラクターの表情を情感たっぷりに描いていたのも、本作の魅力の一つだ)。

 が、そのクオリティに比して、本シリーズの単行本は現在に至るまで1冊しか刊行されていない。

 それがこちらの『キャプテン・マーベル:ファースト・コンタクト』。『キャプテン・マーベル(vol. 4)』#1-6と、「ウィザード」の付録だった#0を収録。残念ながら紙の単行本(絶版)だけで、電子書籍化もされていない(ので、中古品がひどいプレミア価格で売られている)。

 そんな訳で、現在、『キャプテン・マーベル(vol. 4)』全35話を読むには、電子書籍『キャプテン・マーベル(vol. 4)』を、1冊ずつ買っていくしかなく、中々面倒くさい(古い作品なので、1冊当たりの価格が低く、単行本で買うのとそんなに変わらないのが幸いだが)。


 さてその後、『キャプテン・マーベル(vol. 4)』は、2002年に刊行された#35(10/2002)で終了した。というか、打ち切られた。

 打ち切りの理由は、当時のマーベル・コミックス社のパブリッシャー(出版人)であったビル・ジェイマス(彼についてはこちらの記事も参照)が、クオリティは高いものの爆発的な人気を獲得できている訳ではなかった『キャプテン・マーベル(vol. 4)』に対し、「僕の素晴らしいアイデアを取り入れて、『キャプテン・マーベル』誌をテコ入れしたまえ、さもなくば打ち切る」的な話をし、「何言ってんだ、コイツ」と思ったピーター・ディビッドが、ジェイマスのアイデアを受け入れることを拒否したためであった。

 ちなみにビル・ジェイマスは、元々トレーディングカード・メーカーのフリーア・エンターテインメント(1992年にマーベル・エンターテインメントの傘下に入る)の敏腕社員で、1993年に同社の社長に就任した後、マーベル・エンターテインメントの副社長になり、更には2000年にマーベルのパブリッシャーに……という経歴を辿ってきた人間で、才気あふれる人物であることは確かだが、コミックのクリエイターとしての経験はない(コミック業界にはコミック作家からスタートして、出版社のパブリッシャーや社長に上り詰めたりする人間はそこそこいるのだが、ジェイマスはそんなんじゃない)。

 いやまあ、ジェイマスは、2000年に創刊され、大ヒットを飛ばした『アルティメット・スパイダーマン』誌のライターとしてクレジットされてはいるが(ブライアン・マイケル・ベンディスとの「共著」とされる)、正直こんなのは、打ち合わせに参加してプロットに多少口出しをした程度で、彼が「脚本」と言えるものを1から書ける訳ではない。その程度の人間が、大ベテランのピーター・ディビッドに「僕のアイデアを取り入れたまえ」と助言した訳である。そりゃ、受け入れる訳がない。

 で、ディビッドに提案を断られたビル・ジェイマスは、どうしたかと言うと……「君の『キャプテン・マーベル』と、僕の書くコミックのどちらが上か、勝負だ! 売り上げの悪い方のシリーズが、打ち切られて、顔にパイを投げつけられる!」という、良く分からないことを言い出したのである。

 念を押すが、ピーター・ディビッドは、12年間マーベルで『インクレディブル・ハルク』の連載を行い、その他に無数の作品の長期連載を手掛けてきたベテランである。その彼に、クリエイター出身でもないマーベルの重役が、「どっちが面白いコミックを書けるか」という勝負を挑んだのである。正気の沙汰ではない。

 で、ディビッドとジェイマスの勝負は、当時の総編集長ジョー・ケサーダ(この人はアーティスト出身で、独立出版社イベント・コミックス社を創業した後、マーベルに編集者兼作家として起用され、「マーベル・ナイツ」レーベルを成功に導いて総編集長に昇格した叩き上げの人物)が間に立ち、「U-デサイド(U-Decide)」というイベントとなった(「You decide(君が選ぶ)」のモジり)。

 これは、ピーター・ディビッドの『キャプテン・マーベル』と、ビル・ジェイマスの新シリーズ『マービル』、それにケサーダが編集者として担当する新シリーズ『アルティメット・アドベンチャーズ』の3シリーズを同時に創刊し、読者人気を競う、というものであった。

 で、これを受けて『キャプテン・マーベル(vol. 4)』誌は、一旦#35(10/2002)で終了し、改めて翌月に『キャプテン・マーベル(vol. 5)』#1(11/2002)が創刊された(制作陣はピーター・ディビッド&クリスクロスのまま)。

 ありがたいことに、こちらの『キャプテン・マーベル(vol. 5)』は、全25号の連載が、すべて単行本化されている(全4巻、無論、電子書籍もあり)。キャプテン・マーベル(ジェニス=ヴェル)が持つ、超宇宙的な察知能力(要は未来視)「コズミック・アウェアネス」を暴走させ、徐々に常軌を失い、超宇宙的な視野で行動するようになるという、中々に壮大な物語。

 で、ディビッドの『キャプテン・マーベル』よりも面白いコミックとして、ビル・ジェイマスが自信満々に送り出した『マービル(Marville)』は、当時人気を博していたドラマ『スモールビル』(スーパーマン/カル=エル/クラーク・ケントの少年時代を描く)の雑なパロディで、51世紀の未来から現代に送り込まれたカル=AOL少年(当時勢力を誇っていたプロバイダ、アメリカ・オンラインことAOLに因む)が、適当に思いついたような経緯で大金持ちになったり、神さまと出会ったり、なぜだかウルヴァリンのオリジンが明かされたりする一方、ストーリーそっちのけでマーベルの新クリエイター・オウン・レーベル「エピック」の宣伝に丸々1号使ったり……といった、全てにおいて支離滅裂な話が繰り広げられるシリーズとなった。

 一方、ケサーダの『アルティメット・アドベンチャーズ』は、ドジなヴィジランテのホークオウルに引き取られたハンク少年が、不承不承彼のサイドキック(少年の相棒)になるという、明々白々にバットマン&ロビンをパロディしたコメディであったが、刊行予定が遅れに遅れまくったため(全6号を出すのに1年4か月かかった)、他のタイトルと人気を競う土俵にすら上がれない有様だった。

 こちらは、当時刊行された『マービル』の単行本。さすがにジェイマスも恥を知ったか、電子書籍化はなされていない。

 こちらは『アルティメット・アドベンチャーズ』の単話版電子書籍。単行本化はなされていない模様。

 で、結局、「U-デサイド」は、ピーター・ディビッドの『キャプテン・マーベル(vol. 5)』が勝負を制し(というか、各誌が2号目を出した時点で、もはや誰の目にも決着は付いていたので、誰も「U-デサイド」のことを語らなくなった)、その後ピーター・ディビッドは、誰にもはばかることなく同誌の連載を2年強の間、続けることとなった(#1(11/2002)-#25(9/2004)の全25号。vol. 4と合わせれば全60号をディビッド一人で書き切った、堂々の長期連載である)。

 こちらが最終4巻。同巻収録の最終話で、マーロのコミック・ショップで働いていた青年アルが、実は「物事に適切なケリをつける」ことを使命とする超宇宙的存在ユーロジーであることが判明。彼とその兄弟らによって、リック・ジョーンズとジェニス=ヴェルの結合は解消され、ディビッドによるキャプテン・マーベルの物語は、次のライターがどうにでも転がせるような「初期化状態」で完結を迎えるのだった。


 でー、ピーター・ディビッドによっておおよそ「やり切った」感じになったキャプテン・マーベル(ジェニス=ヴェル)は、その数か月後に新創刊された、『ニュー・サンダーボルツ』#1(1/2005、ライターは、『サンダーボルツ』シリーズの生みの親であるカート・ビュシークと、かつて『キャプテン・マーベル』誌のライターを務めていたファビアン・ニシーザ)に登場し、しばし後の『ニュー・サンダーボルツ』#6(6/2005)で、ヒーローチーム、サンダーボルツに正式に加入する。なお、この時、ジェニス=ヴェルは、諸事情により新たなパワーと外観を獲得することになり、これを受け、自身のコードネームを「キャプテン・マーベル」から「フォトン」に改名する(その結果、同じ「フォトン」のコードネームを名乗っていたモニカ・ランボー(元キャプテン・マーベル)に怒られたりもする)。

 ちなみにこのニュー・サンダーボルツは、「アベンジャーズ:ディスアセンブルド」でアベンジャーズが解散したのを受けて再結成されたチームで、#1の表紙は「ディスアセンブルド」のロゴをパロディした、「サンダーボルツ:リアセンブルド」というロゴになっていた。

 こちらは単行本『ニュー・サンダーボルツ:ワン・ステップ・フォワード』。『ニュー・サンダーボルツ』#1-6を収録。

 でー、その後『ニュー・サンダーボルツ』誌は、#8からファビアン・ニシーザ単独のライティングとなり、ニューアベンジャーズと遭遇したり、悪人チーム、スコードロン・シニスターと戦ったりといった諸々の末に、『サンダーボルツ』#100(5/2006、『ニュー・サンダーボルツ』#18号が刊行された翌月、通巻100号を記念してタイトルを『サンダーボルツ』に戻し、号数を#100にリナンバリングした)において、新サンダーボルツvs.バロン・ジーモ率いる旧サンダーボルツが戦うこととなり、その際、フォトン(ジェニス=ヴェル)は、ジーモによって殺害されてしまう(『ニュー・サンダーボルツ』の初期の話で、ジーモが超宇宙的なパワーを用い、キャプテン・マーベル能力を変質させた結果、なんか宇宙が滅びるかもしれなくなったので、フォトンを殺すことにした)。

 こちらが、その『サンダーボルツ』#100を収録した単行本『ニューサンダーボルツ:ライト・オブ・パワー』。『ニューサンダーボルツ』#13-18と『サンダーボルツ』#100、それにサンダーボルツの初期の登場話である『テールズ・オブ・ザ・マーベル・ユニバース』#1掲載の短編を収録。

 かくて、ジェニス=ヴェルは死亡し、しばらくの後に「キャプテン・マーベル」の称号は、元ミズ・マーベルの、キャロル・ダンバースが継承することとなる(2012年創刊の『キャプテン・マーベル(vol. 7)』#1(9/2012)での出来事)。

 が、それから10年ほどが経った2021年に刊行された、『キャプテン・マーベル(vol. 10)』#32-36(11-12/2021, 2, 3, 3/2022)で展開されたストーリーライン「ザ・ラスト・オブ・ザ・マーベルズ」の作中で、「マーベル」の称号を名乗ってきた歴代のヒーローが集結した際に、突如、ジェニス=ヴェルは復活を遂げる。

 こちらが「ザ・ラスト・オブ・ザ・マーベルズ」を収録した単行本『キャプテン・マーベル:ザ・ラスト・オブ・ザ・マーベルズ』。『キャプテン・マーベル(vol. 10)』#31-36を収録。

 この作中でのジェニス=ヴェルは、過去の記憶を失っており、自身の復活の経緯についても、なんら覚えていなかったのだが、その後、2022年夏に刊行されたリミテッド・シリーズ『ジェニス=ヴェル:キャプテン・マーベル』#1-5(8-12/2022, 1/2023)において、正式に彼が復活した経緯が語られることとなる(こういう、「本編で説明してる暇がないので、リミテッド・シリーズで別のライターに説明してもらう」というやり方は、いかにもアメリカン・コミックスらしくて好きだ)。

 こちらが、その『ジェニス=ヴェル:キャプテン・マーベル』の単行本。ライターはかのピーター・ディビッドで、リック・ジョーンズ、マーロらも再登場する。『ジェニス=ヴェル:キャプテン・マーベル』#1-5を収録。


 そんな訳で、2006~2021年まで、実に15年の間死にっ放しだったジェニス=ヴェルは、育ての親であるピーター・ディビッドの導きにより、新たな状況設定を与えられ、再びヒーロー「キャプテン・マーベル」としての道を歩みだすのだった。

 以上、趣味に走ったエントリ、ここまで。


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