何かしないといけない、という呪縛

今思うと、学生の頃は何かしらやることが常にあった。だから暇なとき、それをやればとりあえずどうにかなった。
しかし、社会人になった今はどうだろうか。別に仕事を頑張っているわけでもない自分は、常に何かをやらなければ、という一種の強迫観念が頭の中で渦巻いていると思う。
小学生の頃はよくゲームをしていた。だけど中学生でパタリとほとんどやらなくなった。そのせいもあってか、ゲームは大人がやるものではないという誤った認識が心に植えられていて、ゲームをして時間を潰すということに凄い罪悪感を感じるようになってしまった。
幸いにも高校のときに読書の面白さを知り、よく本を読むようになった。大学生になっても、小説から人文書、理工書などなど幅広いジャンルを読むようになって、今ではすっかり趣味になった。それで読書をすることで幾分か何かしている気にはなれた。
だがそう長い間読めるわけではない。たまには休憩を挟まないと目が疲れる。そういってスマホに手を伸ばすがすることがない。スマホが世の中を支配していると言われているくらいなのに、みんなは一体何を見ているのだろうか。不思議でならない。
そのせいもあって、私は返信がやたら早い。スマホは連絡ツールとしてのみ使っている。だから連絡を来たときはすぐ気が付くし、すぐ返してしまう。

色々思うと、私は寂しいのかもしれない。親族というしがらみから解き放たれて単身で上京してきた。もちろん、知り合いはいるが学生の頃とは違い気軽に誘えない。というか学生ほどの元気もなくなり、いつもは誘っていた側なのに誘うということをしばらくしていない。
もちろん恋人もいない。いたら少しは生活が華やかになるのだろうか。期待するがそもそも出会いもなければ、人脈が増える伝手もない。
今の若者は未来がよくなるとは思っていない、とテレビでは報道されていたがまさしくその通りだと思う。もうちょっと活気のあるそんな時代に生きたかったと思う。

……多分、ちょっと躁鬱っぽくなっているのかもしれない。一人でも大丈夫だと思っていたが、さすがに異郷の地で一人というのは結構心に堪えるみたいだ。

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